和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月16日(月)

白浜温泉、期待と不安の再開 感染予防徹底で夏本番へ

海開きに向けて準備が進む白良浜。観光客も少しずつ増えてきている(27日午前10時15分ごろ、和歌山県白浜町で)
海開きに向けて準備が進む白良浜。観光客も少しずつ増えてきている(27日午前10時15分ごろ、和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町では、新型コロナウイルスの影響で休業している宿泊施設や観光施設の多くが7月から営業を再開する。夏の観光シーズンに向けて東京との空の便が2往復に回復、23日には白良浜が海開きする。各施設は感染予防に細心の注意を払いながら、観光客の増加に期待している。


 各地で海開きを見送る海水浴場が相次ぐ中、白浜町は白良浜海水浴場の開設に踏み切った。期間は8月末までの40日間。感染予防のため更衣室を設けないなどのガイドラインも定めた。

 白浜町商工会は7月1、2日、飲食店や宿泊施設を対象にした説明会を開き、感染予防のガイドラインや事業者を支援する町の補助金について説明する。商工会や飲食業組合などに加盟していない店舗にはビラを配って回るなど、温泉街を挙げてきめ細かい対策をするという。

 白浜温泉旅館協同組合によると、加盟24施設のうち半数が現在も休業しているが、ほとんどが7月に再開する。

 7月4日に営業を再開する町内の旅館は当面、食事に弁当を配るほか、1フロアの客室をすべて閉鎖し、体調不良者を収容できるようにする。担当者は「海開きの有無で(客の入りが)全然違う。感染対策に努め、絶対にコロナを出さないという気持ちで取り組む」と話す。

 JAL(日本航空)は現在、南紀白浜空港―東京・羽田空港の定期便を1日1往復に減便しているが、7月1日から16日までは、朝と夕方の1日2往復にする。

 空港を運営する南紀白浜エアポートは「需要は高まっている。安心して来てもらうために万全な対策で臨む」と話している。

 円月島の近くで観光船グラスボートを運航する白浜海底観光船は、7月1日から3カ月ぶりに営業を再開する。座席の間隔を空け、定員80人を半分に減らしての運航になる。津多定社長(45)は「白浜には円月島やきれいな海があることをPRしていく」と前を向く。

 アドベンチャーワールドは、県内に宿泊した人の入園料を半額にするキャンペーンを7月21日まで延長する。

 27日には自民党の二階俊博幹事長が町を訪れ、白浜空港内で井澗誠白浜町長や町議会の正副議長、町内の経済団体代表らと会談して観光の現状を聞いた。