和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月25日(水)

秋の弁慶まつり中止 田辺市、同日開催の花火大会も

昨年10月にあった田辺花火大会(和歌山県田辺市扇ケ浜で)
昨年10月にあった田辺花火大会(和歌山県田辺市扇ケ浜で)
 和歌山県田辺市街地で10月に開催予定だった「弁慶まつり」(実行委員会、推進団体協議会主催)が、中止されることになった。同時開催の「田辺花火大会」(田辺観光協会、田辺市主催)も中止が決定。いずれも市の秋の風物詩として親しまれているイベントだが、新型コロナウイルスの感染防止と来場者の安全確保を最優先に判断した。

 両主催者が12日発表した。県外からも多くの来場者が予想され、「3密(密閉、密集、密接)」を避けることが困難なことから決めたという。

 10月2、3日に開催予定だった弁慶まつりは、市の三偉人の一人とされる武蔵坊弁慶にちなんだイベント。1987年に「武蔵坊弁慶・熊野水軍出陣800年祭」として始まり、今年で34回目の予定だった。

 メインイベントの一つ「紀州弁慶よさこい踊り」には例年、千人を超す踊り手が参加し、闘雞神社や扇ケ浜などで演舞を繰り広げる。昨年の来場者数は2日間で約5万人(主催者発表)だった。

 同市扇ケ浜が会場の田辺花火大会は、今年で52回目の予定だった。主催者によると、これまで台風などで延期になったことはあるが、中止は恐らく初めてという。

 2004年までは毎年8月に開催していたが、新市誕生後の05年からは「弁慶まつり」に合わせて実施。毎年、企業や団体から協賛金を募るほか、市内各所に募金箱を設置し、一般からも協力を呼び掛けている。

 打ち上げ数は例年約3千発で、昨年は扇ケ浜の立地を最大限に生かし、視界に収まりきらないほどの「大パノラマ花火」を演出していた。

 松原燈実行委員長は「規模を縮小しての開催も検討したが、他の花火大会が相次いで中止になり、観客が殺到する恐れがあると判断した。現状では寄付を集めるのも難しい。中止は残念だが、来年は盛大に開催したい」と話している。

■大塔地球元気村も

 田辺市大塔地域の夏の恒例イベント「大塔地球元気村2020」も、今年の中止が決まった。

 市などでつくる実行委員会の主催。毎年8月中旬、同市鮎川の富田川河川敷「大塔水辺の楽校」をメイン会場に開いていた。

 カヌーや木工などさまざまな体験教室や花火大会など多彩な催しがあり、例年約1万人の人出があった。