和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

安価な弁当学校へ 「休校中の給食代わりに」と白浜町の有志

「つなぐ」のメンバーである濱田冷香さん(右)から弁当を受け取る小学生=20日、和歌山県白浜町の白浜第一小学校で
「つなぐ」のメンバーである濱田冷香さん(右)から弁当を受け取る小学生=20日、和歌山県白浜町の白浜第一小学校で
 新型コロナウイルスの影響で休校が続く小中学生に、給食の代わりとなる昼食を届けようと、和歌山県白浜町でフリーペーパーを発行する団体「つなぐ」が、町内の3小中学校で弁当を安価に販売している。昼食の準備に追われる家庭や、仕事が減った食品業者の支援につなげるのが狙い。給食再開まで続けたいという。

 「つなぐ」の「こどもごはんプロジェクト」は、白浜第一、白浜第二の両小学校と、白浜中学校の保護者、児童生徒が対象。1食300円で提供している。プロジェクトで本来の販売価格との差を負担することで、価格を下げた。

 弁当の食材は、新型コロナの影響で在庫が余っている町内の食品業者から購入し、町内の飲食店「甲羅館」が調理している。家で食べてもらうことを前提に箸は付けていない。

 一部の保護者へのアンケートでは、4分の1が給食がなくなってとても困っていると回答し、栄養の偏りを心配する声も多かった。弁当の販売は月、水、金曜で、校区内の学校で受け取る。前日午後3時までの事前予約制。各学校で登校日に配布したチラシのQRコードを読み取り、申し込む。料金はプロジェクト終了後に一括で支払う。

 2回目の弁当販売があった20日は、白浜第一小での受け取りに16人分の注文があった。小学2年生と4年生の娘と一緒に受け取りに来たパート女性(37)は「今は外食できず、毎日献立を考えるのも大変なので助かる。後払いなのもいい」と喜んでいた。

 「つなぐ」は地域情報を発信するフリーペーパー「コトシラ」を発行するなどしている。活動資金や企業からの協賛金を弁当代の負担や容器の購入に充てている。

 代表を務める上富田町のグラフィックデザイナー、山本賢さん(43)は「私たちの活動資金の大部分が地域や企業からの協賛金や寄付で、それを世の中にお返ししている。この機会に教育委員会や学校と地域のつながりを深めていければいい」と話している。