和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

龍神温泉ひっそり コロナで宿泊施設休業

ほとんどの宿泊施設が休業している温泉街。右端が元湯温泉(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
ほとんどの宿泊施設が休業している温泉街。右端が元湯温泉(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、和歌山県田辺市龍神村でも宿泊施設やキャンプ場、飲食店の多くが休業や業務縮小をしており、ひっそりとしたゴールデンウイークを迎えている。龍神観光協会も案内業務を休業し、公式ホームページ(HP)にコーナーを設けるなどして理解を求めている。


 観光協会のHPで案内している臨時休業施設は旅館や民宿や飲食店、キャンプ場など32施設、営業内容の変更は2店舗。休業期間は施設によりさまざまだが、短いところで5月6日まで。その後、再開するかは新型コロナの状況を見ながら判断するという。

 日本三美人の湯として知られる龍神温泉のうち、日帰り入浴ができる元湯温泉は4月25日から休業に入っている。再開は5月10日を予定している。

 元湯温泉によると、全国的に不要不急の外出を控えるように呼び掛けられていること、従業員や住民への感染予防や県外からの入り込み客の予防策が難しいことなどを考えて臨時休業にした。

 例年ならゴールデンウイーク中は県内外からの入湯客でにぎわい、かき入れ時と当て込んでいた。しかし、臨時休業により平日約100日分の売上損失となるという。

 観光協会も4月25日~5月6日を案内業務停止とし、誘客につながる観光案内や施設の紹介などを控えることにした。停止したのは、平日の窓口と電話、ファクスなどによる観光案内と施設の紹介▽パンフレットの発送などの業務▽土日曜・祝日の観光宿泊案内所での観光案内や施設の紹介。業務の停止は状況を見て延長する場合がある。

 観光協会はHP上で、会員の大半の事業所が休業を選択せざるを得ない状況となったことを説明。休業情報などは、観光協会のHPやインスタグラムで発信している。

 観光協会のまとめによると、昨年度のゴールデンウイーク(10日間)の龍神村への観光客数は宿泊4888人、日帰り4万8772人だった。

 観光協会の若井浩平会長(67)は「感染防止のことを考えると、臨時休業は仕方がないと思う。終息はいつになるか分からないが、その時が来れば多くの観光客を喜んで迎えるように、今は一丸となって乗り越えたい」と話している。