和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

生活費貸し付けや家賃補助の申請急増 田辺市内

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で飲食店や宿泊施設などを中心に休業が広がる中、収入が減った世帯への生活費貸し付けや家賃補助制度への申請が、和歌山県の田辺市内でも急増している。いずれも例年を大きく上回るペースで、窓口の市社会福祉協議会などは対応に追われている。

 生活費を無利子で貸し出す「生活福祉資金貸付制度」は、各都道府県の社会福祉協議会が実施主体。従来は低所得世帯などが対象だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、休業や失業で生活に困っている世帯にも対象を拡大する「特例貸付」の受け付けが3月25日から始まった。

 最大20万円を借りられる「緊急小口資金」と、2人以上の世帯だと月20万円以内を原則3カ月まで借りられる「総合支援基金」があり、いずれも保証人は必要ない。

 市社福協によると、例年の申請は年間15件程度。しかし、特例貸付が始まってからの約1カ月間で、100件ほどの申請を受け付けたという。職種は飲食店やホテルで働いている人、タクシー運転手などがある。

 全国的に相談が急増していることを受け、厚生労働省から自治体職員の応援を検討するよう通知があったこともあり、市も会計年度任用職員を派遣し、事務作業などを手伝っている。

 「住居確保給付金」は、離職や廃業で経済的に困っている世帯の家賃を補助する制度。原則3カ月(最長9カ月)で、返済の必要はない。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、4月20日からは休業によって収入が減った世帯にも対象が広がった。市では、市民総合センター(高雄1丁目)内にある生活相談センターが窓口となっている。

 過去3年間の申請件数は、2017、18年度が年間2件ずつ、19年度は1件のみだった。

 20年度に入ってからは、19日までに3件の申請を受け付けた。対象世帯が拡大された20日は3件、21日は4件の申請があった。これ以外にも、2日間で6件の相談があったという。

 生活相談センターは職員2人体制だったが、現在は市福祉課の職員が交代で応援に行き、3人体制で対応している。