和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月25日(水)

飲食店、持ち帰りに活路 紹介サイトで応援も

持ち帰りのみの営業を知らせる看板(和歌山県田辺市湊で)
持ち帰りのみの営業を知らせる看板(和歌山県田辺市湊で)
 新型コロナウイルスの感染拡大による外食の自粛が広がり、飲食店経営が厳しさを増す中、弁当やオードブルの持ち帰りや配達に力を入れる店が増えている。こうした動きを応援しようと、持ち帰りメニューを提供する店を紹介するサイトも出てきた。

 和歌山県田辺市湊のアメリカ風居酒屋「ハングオーバー」は、7日から持ち帰りのみの営業に転換した。ロコモコやハンバーガーなど通常メニューを提供。店内で待つことがないように、電話注文の際に受け取り時間を確認し、店舗入り口で受け渡すようにしている。

 「試行錯誤の毎日。でも持ち帰りを知って、初めて来てくれた客もいる。大変だけどいいこともある。応援してくれる人たちのためにも、目の前のことに向き合っていきたい」と前を向く。

 同市宝来町の居酒屋「酒楽」も持ち帰りのみに転換し、弁当やオードブルを提供している。午後5時~11時だった営業時間を午前11時~午後7時に変更し、昼食の需要もうかがう。

 「常連客に支えてもらっているが、通常営業に比べたらかなり厳しい。本当は営業を停止するのがいいのだろうが、家賃など固定費がかかるため、ゼロでなくマイナスになってしまう。持ち帰り営業がギリギリの選択」と話す。

 3月にオープンしたばかりの同市上芳養のレストラン「Caravansarai(キャラバンサライ)」は通常営業を休止し、コース料理の宅配を始めた。「飲食店だけでなく、農家や食材を扱う業者も厳しい。少しでも力になれれば」と一緒に地元産のジビエ肉も販売。県外からの注文も来ているという。

 同市上万呂のベーカリーレストラン「KOKAGE(こかげ)」は、家庭に訪問して夕食を調理する「出張シェフ」を始める。身近で手に入る食材を使い、家庭で調理できる料理を提供。料理指導もする。「こんな時だからこそ、料理人ができることを考えた。みんなが喜ぶディナーを作って、家庭を笑顔にしたい」と話している。

 まちづくり会社「南紀みらい」(田辺市湊)はフェイスブックで飲食店情報をまとめている。「利用が店の支援につながる。毎日、お子さんの食事に頭を悩ませている方も活用してほしい。この機会にいろんなお店の味に触れて、事態が収束した時にお店で味わってほしい」と話す。

 飲食店の情報は本紙やキーライフで発信しているほか、インターネットサイト「南紀白浜テイクアウト&デリバリー店紹介」や「POPY MAPS(ポピーマップス)」、フェイスブックの「紀南のおいしいテイクアウト&デリバリー情報」などでも紹介している。