和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月18日(木)

夢の舞台届ける バレエ教室と交響楽団、「くるみ割り人形」、12月28日、和歌山県田辺の紀南文館

オーケストラの演奏に合わせて練習する岩中春佳バレエ教室のメンバー(和歌山県田辺市中三栖で)
オーケストラの演奏に合わせて練習する岩中春佳バレエ教室のメンバー(和歌山県田辺市中三栖で)
 岩中春佳バレエ教室(和歌山県田辺市中屋敷町)は12月28日、紀南文化会館(同市新屋敷町)で、市民オーケストラ「紀南交響楽団」の生演奏によるバレエ「くるみ割り人形」を公演する。全2幕で、プロも参加する。教室は「地元の皆さんと芸術家がつくる夢の舞台。特別な一日を届けたい」と意気込んでいる。


 オーケストラの生演奏による公演は、教室の念願だった。紀南文化会館は大規模改修のため、2026年4月から1年以上休館する。「バレエを見てほしいのはもちろん、休館前に地域の文化拠点で多くの人と一緒に思い出をつくりたい」と、難易度は高いが開催に踏み切った。田辺市教育委員会などが後援している。

 バレエの出演は教室の生徒を中心に、他のバレエ教室やゲストも加え、60人規模。5歳から70代まで多彩なメンバーがそろう。

 くるみ割り人形は、クリスマスの夜に少女クララが、プレゼントされたくるみ割り人形と繰り広げる幻想的な冒険物語。教室の岩中春佳代表(42)は「前半は芝居が中心、後半はさまざまな踊りが登場する。世界中で愛されるクリスマスの定番で、初めて見る人にも楽しんでもらえる」と話す。

 振り付け、演出を担当する上村崇人さん(34)=大阪府=は「見て楽しい、踊って楽しいを意識した。難しい踊りもあってダンサーにはチャレンジも求めているが、集中して練習できている」と太鼓判を押す。

 主人公のクララを演じる田辺高校1年の北川智里さんは「発表会は何度も経験しているけれど、演技は初めて。練習から表現の楽しさを感じている。4歳でバレエを始め、初舞台もくるみ割り人形だった。当時、クララ役のお姉さんに憧れた。今回の公演を見て、バレエを好きになってくれる人が増えればうれしい」と目を輝かせる。

 9日に初めて、オーケストラとの合同練習が、三栖コミュニティセンター(田辺市中三栖)であった。バレエ公演は楽団にとっても挑戦。コンサートマスターの小谷信子さん(47)は「3月の定期演奏会終了後、練習してきた。曲自体も難しい上、ダンスに合わせなければならず、難易度は高い。でもダンスとの掛け合いを楽しんでもらえるよう、本番までに仕上げたい」と話した。

 くるみ割り人形の公演は午後4時開演。チケットはS席3千円、A席2千円(いずれも税込み)。紀南文化会館とバレエ教室で販売している。当日は焼き菓子や雑貨を販売するマルシェやロビーコンサートなどもある。

 問い合わせは岩中春佳バレエ教室(070・8562・5826)へ。


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