和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

出馬予定の3氏が討論 白浜町長選

動画投稿サイトに配信する形で開かれた討論会(和歌山県田辺市新庄町で)
動画投稿サイトに配信する形で開かれた討論会(和歌山県田辺市新庄町で)
 和歌山県白浜町長選(21日告示、26日投開票)の立候補予定者による討論会が10日、田辺市新庄町のビッグ・ユーであった。出馬を表明している現職の井澗誠氏(65)、元衆院議員の玉置公良氏(65)、元参院議員の大江康弘氏(66)が出席。新型コロナウイルス感染拡大への対策や観光施策などについて、持論を展開した。

 討論会は「白浜・田辺青年会議所」の主催。新型コロナの影響に伴い、一般の聴講者を会場に入れず、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信した。互いに質問、回答する時間もあった。

 動画は「白浜町長選公開討論会」と検索すれば出てくる。26日まで見られるようにするという。討論会の進行役は、和歌山大学の西川一弘准教授が務めた。発言要旨は次の通り(敬称略、掲載順と発言順は一致しない)。

【所信表明】

 井澗 「意思あるところに道は開ける」が信条。正直、新型コロナの影響で、選挙どころではないという状況だと思う。この危機にはオール白浜で取り組むべきだ。国の施策も見極め、難局に立ち向かいたい。

 玉置 町民が主役のまちづくりを進める。無所属・町民党だ。出馬表明以降、町内をくまなく歩き、さまざまな不安の声を聞いた。時代の先を行く発想力と実現力で、白浜のまちづくりを国内、世界に発信したい。

 大江 連帯感のなさや閉塞(へいそく)感、停滞感を生む原因は、トップが何もやらない、できない、やろうとしないということにある。県議や参院議員の経験を生かし、ふるさとのまちづくりに貢献したい。

【新型コロナ対策】

 井澗 まずは感染症対策。正確な情報の提供に取り組んでいる。イベントの自粛・中止も判断した。同時に経済対策も必要で、総額1億3800万円の第1弾を講じるが、必要に応じ、第2、第3の対策を打つ。

 玉置 まずはスピード感を持って実態把握に取り組み、独自の支援策を打つ。退職・休職された方への支援や、住民税の減免を考える。事業者には、国からの支援を受けやすいよう、書類作りなどにも協力したい。

 大江 町の資産を担保に金融機関から融資を受ける。困っている方には無利子・無担保、かつ1年の(返済)猶予で融資する。さらには現金給付もする。学校は早期に再開する。緊急雇用もして安心をつくり上げる。

【観光施策】

 井澗 白良浜を会場とし、ビーチスポーツの誘致に取り組みたい。スポーツとワーケーションのイベントも考えている。花火大会を椿地区や日置川地域でやってもいいと思う。オリジナルで、わくわくするような企画を作っていきたい。

 玉置 白浜には自然や歴史、温泉、空港など、大化けする要素がある。世界に発信できる体験観光コースを10ほどつくりたい。地元の祭りや熊野古道大辺路、南方熊楠、医療観光などだ。観光とマッチするような教育の専門学校も誘致したい。

 大江 観光関係者には「2年の時間をください」と言っており、喜んでもらえる町並みをつくる。台湾の航空会社幹部とは、白浜空港に定期便を就航してもらう方向で話をしている。日置川地域などではスポーツを通じた振興策にも取り組む。

【民間への業務委託】

 井澗 町は4月、8業務の委託を始めた。コスト削減やサービスの質向上というメリットがある。民間でできることは力を借りるが、委託後のモニタリングはする。行政が責任を持つべきことは、行政がやる。

 玉置 サービス向上▽町への収入がある▽町からの支出が少ない―という3条件をクリアすればよいが、今回の委託はいかがなものか。特に学校給食の調理は問題が多い。委託するなら地元業者を優先したい。

 大江 今回の町の業務委託については、すべてを委託しないといけないのか。見直したい。住民の暮らしを守ることが重要で、頑張ってきた人を苦しめたり、町民が不安を感じたりするような委託はいけない。