和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

体験型農園始めます 上富田の住民有志

体験型農園の予定地で打ち合わせをする一瀬里山会のメンバー(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
体験型農園の予定地で打ち合わせをする一瀬里山会のメンバー(和歌山県上富田町市ノ瀬で)
 和歌山県上富田町市ノ瀬地区を元気にしようと住民有志でつくる「一瀬里山会」(宮本和子会長、25人)は、5月から体験型農園「いちのせ里山農園」を始める。今年は10区画を予定しており、今月20日まで参加者を募集している。耕作放棄地を増やさないための取り組みで、宮本会長は「手ぶらで気軽に来て、楽しんでもらえたら」と参加を呼び掛けている。


 里山会は2016年に発足。休耕地でゴマを栽培したり、ヒマワリなどの花を育てたりしている。海峡を越え長距離を移動することで知られる大形のチョウ・アサギマダラが見られるようにと、アサギマダラが花の蜜を好むフジバカマの植栽も進めている。

 市ノ瀬地区では高齢で耕作できない農地が増えてきている。「農地の活用」と「担い手の確保」の両面から対策が必要と考え、体験型農園を企画した。「中山間地域における体験型農園の可能性や課題を検証するためのモデルケースにしたい」としている。

 里山会が活動する集落ではここ十数年、多くの住宅団地が造られ、約150戸あるうちの半数が転入世帯。この取り組みにより転入世帯に農業への理解を深めてもらい、地域コミュニティーの再構築につなげたいという。

 今回利用する農地は約740平方メートルあり、1区画は20平方メートル(5メートル×4メートル)。栽培計画や耕運作業、苗や種子、肥料の準備は里山会が行い、参加者は農家の指導で日常管理をする。栽培指導はJA営農指導員とも連携して月2回程度を予定している。

 手始めに夏野菜のナスやキュウリ、トマトなどを植える予定。初年は収穫物の持ち帰りも含めた諸費用は月500円としている。応募多数の場合は先着順で地元住民を優先する。

 問い合わせは里山会の宮本勲さん(090・9056・1735)へ。