憲法もっと身近に 和歌山憲法研究会の亀田さんに聞く
平和主義の根幹とされる憲法9条はたびたび改正が議論されてきた。しかし「憲法改正をどう考えますか」と問われて、答えられる人がどれだけいるだろうか。2012年から、さまざまな視点で憲法について対話を重ねている和歌山憲法研究会幹事長で会社経営、亀田直紀さん(58)=和歌山県和歌山市=に、どうすればもっと憲法が身近になるかを聞いた。 (聞き手は喜田義人)
―どのような活動をしていますか。
会合は2カ月に1回のペース。専門家でない私たち一般の参加者が、日々の生活の中で疑問や不都合に感じることの原因を憲法に求め、それぞれの研究結果を発表し合っています。
会として「改正」「護憲」「加憲」といった統一見解もありません。一方向に誘導する意図もありません。全ての条文を読み込んでいく中で、文言が表す言葉を本当に吟味したことがあるか。レッテル貼りされたキーワードをうのみにしていないかを考えています。
―憲法と日常のつながりはどのようなところに感じますか。
私自身、憲法に興味を持ったのは若い頃に企画した小学生の相撲大会でした。大会のチラシを小学校で配ってもらおうとしたのですが、「男子しか参加できない大会のチラシは配れない」と断られました。
そこで女子の大会も併せて企画しました。ところが、全国大会は両国国技館であり、女子は土俵に上がれません。県大会のみとなってしまう。それをどう説明すればいいのか。男女平等とは何か。伝統とは何か。考えさせられました。
最近だと性別に関係なく使える「ジェンダーレストイレ」が開設されてすぐに廃止になったことがニュースになりました。求められる平等とは何か。差別はいけないし、性の多様性も尊重している。でも言葉の表面だけで捉えると、こうしたことが起こるのではないでしょうか。
―憲法に触れるには何から始めたらいいでしょう。
まずは原文にあたることです。読んだことがないと議論のしようもありません。憲法公布時の官報も県内なら県立図書館で見ることができます。
―9条の議論をどう見ていますか。
9条もまずは条文を実際に読んでみてほしい。戦争の放棄、戦力不保持、そして交戦権の否認を規定しています。
例えば、交戦権は戦いを交える権利と解釈している人が多いですが、私は国際法上有する種々の権利の総称で、宣戦布告から講和条約を結ぶまでの権利全てを指していると考えています。どちらが正しいかは別に、そうした言葉について調べた上でないと本当の議論は生まれないでしょう。
―憲法は対話を重ねて作っていくことが大切ということでしょうか。
憲法は作るものではなく、見つけるものだと考えています。それぞれにルールがあって、その最大公約数が憲法ではないでしょうか。歴史的な背景を縦軸にした上で、互いに最大公約数を見つける作業が大切だと考えています。
◇
和歌山憲法研究会への問い合わせはフェイスブックページへ。
―どのような活動をしていますか。
会合は2カ月に1回のペース。専門家でない私たち一般の参加者が、日々の生活の中で疑問や不都合に感じることの原因を憲法に求め、それぞれの研究結果を発表し合っています。
会として「改正」「護憲」「加憲」といった統一見解もありません。一方向に誘導する意図もありません。全ての条文を読み込んでいく中で、文言が表す言葉を本当に吟味したことがあるか。レッテル貼りされたキーワードをうのみにしていないかを考えています。
―憲法と日常のつながりはどのようなところに感じますか。
私自身、憲法に興味を持ったのは若い頃に企画した小学生の相撲大会でした。大会のチラシを小学校で配ってもらおうとしたのですが、「男子しか参加できない大会のチラシは配れない」と断られました。
そこで女子の大会も併せて企画しました。ところが、全国大会は両国国技館であり、女子は土俵に上がれません。県大会のみとなってしまう。それをどう説明すればいいのか。男女平等とは何か。伝統とは何か。考えさせられました。
最近だと性別に関係なく使える「ジェンダーレストイレ」が開設されてすぐに廃止になったことがニュースになりました。求められる平等とは何か。差別はいけないし、性の多様性も尊重している。でも言葉の表面だけで捉えると、こうしたことが起こるのではないでしょうか。
―憲法に触れるには何から始めたらいいでしょう。
まずは原文にあたることです。読んだことがないと議論のしようもありません。憲法公布時の官報も県内なら県立図書館で見ることができます。
―9条の議論をどう見ていますか。
9条もまずは条文を実際に読んでみてほしい。戦争の放棄、戦力不保持、そして交戦権の否認を規定しています。
例えば、交戦権は戦いを交える権利と解釈している人が多いですが、私は国際法上有する種々の権利の総称で、宣戦布告から講和条約を結ぶまでの権利全てを指していると考えています。どちらが正しいかは別に、そうした言葉について調べた上でないと本当の議論は生まれないでしょう。
―憲法は対話を重ねて作っていくことが大切ということでしょうか。
憲法は作るものではなく、見つけるものだと考えています。それぞれにルールがあって、その最大公約数が憲法ではないでしょうか。歴史的な背景を縦軸にした上で、互いに最大公約数を見つける作業が大切だと考えています。
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