和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

仲間と体動かし笑顔 みなべ町教委が体育施設開放

マスクを着用してバレーボールの練習をする児童(16日、和歌山県みなべ町谷口で)
マスクを着用してバレーボールの練習をする児童(16日、和歌山県みなべ町谷口で)
 みなべ町教育委員会(和歌山県)は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、小中学校の休校に伴い利用を禁止していた学校や社会体育施設の利用を16日から団体に限り開放し、早速同日から練習する少年団のクラブが見られた。2週間ぶりの練習で児童は仲間と顔を合わせ、一緒に体を動かせることを喜んだ。

 町教委は休校が長引く中、児童生徒の運動不足によるストレスで健康面、精神面への支障を懸念。クラブ関係者の要望も受け、団体代表者が感染予防に責任を持ち、参加者の健康状態を把握して注意事項を順守してもらった上で開放することにした。

 注意事項として、平日2時間以内、休日3時間以内といった時間の制限のほか、手洗い・せきエチケットの徹底で感染予防に努める、他団体との交流禁止、毎回体温をチェックするなど条件がある。

 同町谷口の上南部小学校体育館では同日、南部バレーボールスポーツ少年団が練習を始めた。練習は休校に入った2日からしていなかった。参加児童の体温を記入して管理し、ボールを消毒したり、体育館の換気をしたりもした。

 6年生の長瀬日鞠さんは「休み中は毎日、縄跳びをしていた。今日から体育館を使えるようにしてくれたことに感謝したい」、6年生の横山登磨君も「家でランニングや腕立て伏せなどトレーニングをしていたけど、体がなまってきていたので練習ができることはうれしい」と喜んだ。

 「家では梅を干すビニールハウスでバドミントン用のネットを張り、姉と練習していた。久しぶりの体育館は広く感じる」という5年生の男子もいた。

 女子チームの保護者会長、塩路真之さんは「今後はどうなるか分からないが、こうして使わせていただけることはありがたい。子どもたちは友達と会うことで話したり笑ったりし、精神的にも良いと思う」と話した。チーム関係者の一人は「感染予防・拡大防止の面との葛藤はあるが、最大限の注意を払いながら両立させていきたい」と話した。

 少年野球では、連盟学童部から24日まで自粛の通達があるといい、練習再開はしていない。みなべ少年野球クラブの指導者は「子どもたちに言っているのは、家で素振りなどできることはするようにということくらい。体力面の心配もあるが、練習が再開できるようになれば子どもたちと頑張りたい」と話している。

 少林寺拳法の南部スポーツ少年団は、本部からできるだけ自粛をと通達があることや、肌が触れ合うこと、マスク着用ではしづらいことなどから、24日ごろまでは様子を見ようと考え、活動を休んでいるという。外で練習することも検討しているという。