和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

地元の仕事に興味持って 上富田中で出前授業 

善利訓典さんからすしの握り方を教わる生徒(上富田町岩田の上富田中学校で)
善利訓典さんからすしの握り方を教わる生徒(上富田町岩田の上富田中学校で)
 上富田町岩田の上富田中学校で、同町商工会青年部による出前授業「あきんど先生」があった。1年生(144人)が地元の事業主の話を聞き、職業観を養った。


 青年部が地元の仕事に興味を持ってもらうために2018年から始め、今年が3回目。町内にあるデザイン会社、石材加工店、電器店、飲食店、印刷加工会社などを営む青年部員10人が講師を務めた。

 各教室では青年部員の講演があり、仕事の内容ややりがいについて話した。ガソリンスタンドを営む池田和隆さん(41)は「勉強はできても損はしない」「夢を追うにも資格が要る」などと話し、自身の経験を踏まえて後悔しないような生き方をしてほしいと呼び掛けた。

 調理室では中華料理店店主の竹中宏文さん(38)と、すし店店主の善利訓典さん(43)が講師を務め、生徒がギョーザやすし作りを体験。ギョーザは具がはみ出さないように指で形を整え、すしは指に力を入れて酢飯をぎゅっと握り、サーモンやイカ、わさびを加えて皿にのせていった。

 教室で講師の話を聞いた鈴木颯君(13)は「英語が仕事で役に立ったという話を聞き、勉強しておくことが大切だと分かった」、谷河優一君(13)は「仕事のやりがいや大切にしていることを聞いてすごいと思った。自分も先輩たちのように人の役に立てる人間になりたい」と話した。

 町商工会青年部長で、米農家の井戸本拓也さん(32)は「生徒たちが将来、地元で仕事をしたいと思ってもらえたらうれしい。今後も体験などを取り入れ、より生徒のためになるように試行錯誤しながら続けていきたい」と手応えを語った。