和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年12月19日(金)

「住み続けたい町に」 本紙インタビュー、串本町長5選の田嶋氏、和歌山

選挙結果を伝える新聞に目を通す田嶋勝正氏(15日、和歌山県串本町串本で)
選挙結果を伝える新聞に目を通す田嶋勝正氏(15日、和歌山県串本町串本で)
 13日投開票の串本町長選で5選を果たした現職の田嶋勝正氏(66)=串本町サンゴ台=が15日、本紙のインタビューに応じ、心境や抱負を語った。
(聞き手は中嶋悠大)


 ―選挙を終えて今の気持ちは。

 長い選挙戦がようやく終わったなというのが率直な気持ち。いろいろな情報が錯綜(さくそう)した選挙だった。われわれが意図しない情報が流れることもあって苦労した。当選したいという気持ちで再選に挑んだ。

 今は、防災の要となる高速道路が南進してきて完成を目前に控えている。10年前にスタートしたロケットのプロジェクトも最終ミッションの成功を見届けたい。防災対策も道半ばなので、もっと力を入れていきたい。

 ―4期を振り返っていかがですか。

 南海トラフ地震の30年以内の発生確率が80%といわれている。否が応でも対応していかなければならないし、国の有利な制度が終わるのではないかという状況で、今仕上げておきたいという思いで防災対策、事前復興に注力してきた。

 ―4期の評価は。

 75点。高齢化が進んでいる中で、医療や福祉、介護、保健の分野をグレードアップさせることに力を入れられたのではないか。今回の選挙を通じてそういった現状を認識できた。4年後には必ず100点にできるようにしたい。

 次の4年間はもっと情報を提供できる体制を役場一丸となってつくりたい。健康寿命が短いという発表がされた。健康診断やがん検診の受診率が低いとか、ロコモ(運動器症候群)に対する講習が少なかったとか、結果には理由がある。より一層、町民に検診などの必要性をアピールしなければならない。

 ―次の4年で最優先に取り組むことは。

 防災対策に今まで以上に取り組む。具体的には火葬場や道の駅の建設、子どもたちが安全に遊べる児童公園を高台に造る。住宅の耐震補強の制度自体を知らない人も多い。積極的に制度の活用をお願いしていくことも必要だと思う。

 ―ロケットをどう生かすか。

 まずはロケットを成功に導くため、全面的にスペースワンに協力する。次の段階として企業誘致に全力投球する。雇用の場の創出や人口減少に歯止めをかけるため対応していく。ふるさと納税で頂けるお金は独自で行う施策の展開には必要不可欠。「ロケットの町」をもっと宣伝していきたい。

 ―町民に一言。

 今回の選挙で当選させていただけたことを心から感謝したい。長くこの仕事をしている中で、人脈や知恵が少なからず備わっていると自負している。それらを4年間で最大限活用して皆さんの負託に応えたい。健康で安心して住み続けたい町をつくり上げていく。