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2025年04月28日(月)

「返礼品なし」を追加 和歌山県の「ふるさと納税」

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県は8日、県の「ふるさと納税」に、返礼品なしのメニュー「わかやま未来応援型」を追加したと発表した。岸本周平知事は「本来、返礼品はあってはいけないと思っている。返礼品はないけれど和歌山の政策を応援してやろうという方々に寄付していただきたい」と話した。


 県では金額に応じ「プレミア和歌山」に認定した県産品(約500点)を返礼品としている。これに、市町村との「返礼品合戦」を避けることや、本来のふるさと納税の趣旨に立ち戻ることなどを目的に、返礼品なしの新メニューを追加した。県によると、長野県や佐賀県も、返礼品があるメニューとないメニューの両方を設定、大阪府は返礼品がないという。

 岸本知事はふるさと納税の制度について「外に出た人が、ある程度生活にゆとりができたら古里に寄付し、結果として税金が控除されるとてもいい制度だが、返礼品があるのがおかしい」と主張。制度を活用した市町村の財源確保への工夫は否定しないと前置きした上で「(ふるさと納税の)莫大(ばくだい)な広告費は、本当は福祉や道路に使われるべき税金」と指摘。「制度開始当初の返礼品がなかったころに戻るのが理想。世の中の空気感を変えていくため、返礼品がなくてもたくさんの人が古里を応援してくれることを示したい」とした。

 実際、県には2023年度、約1億1900万円(3914件)の「ふるさと納税」があったが、このうち45%の約5400万円は、一部の返礼品の設定がない教育関係の寄付、もしくは返礼品の設定があるのに寄付者が「不要」としたものだったという。

 返礼品には寄付額のうち約2千万円が充てられている。