南方熊楠の図譜100点を展示 白浜の記念館
和歌山県白浜町の南方熊楠記念館は、特別展「熊楠の図譜と図鑑展」を始めた。熊楠が書いたキノコ類の図譜をスキャンした100点などを展示している。担当者は「熊楠のスケッチを比べながら鑑賞できる数少ない機会」と来場を呼び掛けている。5月6日まで。
キノコは熊楠が亡くなる1941年までに田辺市や熊野地方で採取したものが多い。
図譜はA4サイズ。いつ、どこで、誰が採ったかというデータや特徴を英語で書いている。スケッチは鉛筆で輪郭を描き、水彩絵の具で色を付けている。においや味を評価したり、スケッチを知人の日本画家に頼んだりした種もある。
記念館スタッフの土永知子さんによると、熊楠は図譜を自分のためのメモとして残した。キノコの採取に協力した少年には好物のあんパンをあげたという記録もあり「珍しい種を見つけては熊楠へ持って行っていたのかもしれない」と話す。また、熊楠の長女・文枝がスケッチを担ったものもあるが、文枝は後に「父はなかなか気に入らず200枚くらい描いてようやく合格した」と回想したという。
土永さんは「いろんな人の援助を受けながら、時間をかけて図譜にまとめており、熊楠の執念が感じられる」と話している。
◇
記念館は5月3日午後2時~3時、講演会を開く。海洋生物研究家の冨士うらら氏が「熊楠と龍―フジツボに魅了された偉人たち―」と題して話す。入館料が必要。問い合わせは記念館(0739・42・2872)へ。
キノコは熊楠が亡くなる1941年までに田辺市や熊野地方で採取したものが多い。
図譜はA4サイズ。いつ、どこで、誰が採ったかというデータや特徴を英語で書いている。スケッチは鉛筆で輪郭を描き、水彩絵の具で色を付けている。においや味を評価したり、スケッチを知人の日本画家に頼んだりした種もある。
記念館スタッフの土永知子さんによると、熊楠は図譜を自分のためのメモとして残した。キノコの採取に協力した少年には好物のあんパンをあげたという記録もあり「珍しい種を見つけては熊楠へ持って行っていたのかもしれない」と話す。また、熊楠の長女・文枝がスケッチを担ったものもあるが、文枝は後に「父はなかなか気に入らず200枚くらい描いてようやく合格した」と回想したという。
土永さんは「いろんな人の援助を受けながら、時間をかけて図譜にまとめており、熊楠の執念が感じられる」と話している。
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記念館は5月3日午後2時~3時、講演会を開く。海洋生物研究家の冨士うらら氏が「熊楠と龍―フジツボに魅了された偉人たち―」と題して話す。入館料が必要。問い合わせは記念館(0739・42・2872)へ。