和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月31日(月)
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繊維産業を完全循環型へ未来共創テキスタイルセンター開所

人と人、アイデアと技を織り重ね、未来を拓く

令和7年3月27日
福井大学

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202503246187-O2-v4Q85F4r
 福井大学産学官連携本部は、未来共創テキスタイルセンターを令和5年度に経済産業省の産学連携推進事業費補助金「地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点の整備」の採択を受け、令和6年に竣工しました。
 今後は繊維産地・福井から超臨界流体を用いた染色・脱色技術を創出するための研究環境を充実させるとともに、福井県が強みとする次世代テキスタイル技術や宇宙分野の研究開発などの産学融合機能を担うプラットフォームとしての活動も推進していきます。
 本センターはオープンイノベーションを進めるために「IF-STUDIO」を中心に多様な人々のアイデアやテクノロジーを融合させ、さまざまなイノベーションを創出するため、広く地域に開かれた対話の場を設置しました。
  地域に広く開かれた拠点として、さまざまな対話や技術交流の機会を設け、イノベーションの創出をしていきますので、ぜひ、お気軽にアクセスしてください。
https://hisac.u-fukui.ac.jp/textile-center/

未来共創テキスタイルセンター 開所までの流れ
 令和2年度に経済産業省の「J-Innovation HUB 地域オープンイノベーション拠点産学融合拠点(Jイノベ)」に採択。
 令和5年4月に経済産業省の「産学連携推進事業費補助金(地域の中核大学等のインキュベーション・産学融合拠点の整備)(地域貢献型)」の交付を受け整備を行いました。
 本補助金は、地域の中核大学などが、大学を中心とした研究機関や企業、自治体などとの連携を深め、スタートアップの創出や産学連携の推進などを通じて地域の産業振興を支援し、持続的な経済成長に貢献することを目的としています。本学は、地域の産学融合拠点として「未来共創テキスタイルセンター」を整備しました。本センターは、大学や研究機関、企業が共同で研究開発を推進し、技術革新を行う場として「共同研究推進フロア(1階(テキスタイル研究、超臨界流体染色・脱色研究)・2階(人工衛星などの精密試作)」、技術交流や対話の場としての「オープンイノベーションフロア3階(IF-STUDIO)」からなります。

共同研究推進フロア1階(テキスタイル研究、超臨界流体(CO2)染色・脱色研究)
 繊維産業における環境負荷を低減するキーテクノロジーとして、超臨界流体染色・脱色技術の研究開発を行い「循環型繊維産業」を目指しています。本研究はこれまでNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の先導研究プログラムで得られた成果を基に、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の共創の場形成支援プログラムにより推進してきました。本フロアには、超臨界流体の中間プラント250L~350Lの装置を設置し、効率的かつコスト効果の高い染色・脱色方法の開発を進める予定です。
 また、国内でも導入が少ない大型分析装置を備え、学内外での共同利用が可能であるため、各種分析などを通じて新たな共同研究の推進が見込まれています。

共同研究推進フロア2階(人工衛星などの精密試作)
 さまざまな試作開発やスマートグラスなどの光学エンジンの開発、産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)を中心にしたi-テキスタイル研究など、県内企業、公設試験機関と大学の強みを融合しやすい環境を整えました。
 福井県は、2015年から宇宙産業に参入する県内企業を対象として「ふくい宇宙産業創出研究会」を設立し、人工衛星の製作などの演習・実習などを重ねてきました。2020年には本学とセーレン株式会社が人工衛星製作のトレーニングを目的とした衛星教育用教材「EDIT」を開発しました。この教材をベースに人工衛星の製作を習得した関西大学などが2024年には「DENDEN-01」の実機を製作し、「きぼう」日本実験棟/国際宇宙ステーション(ISS)から軌道投入を実現しました。このフロアでは引き続き、福井県内企業の特徴をいかした、人工衛星の設計・開発や運用について検討していきます。

 IF-STUDIO3階(オープンイノベーションフロア)
 産学官金が連携し、対話を通してイノベーションを創出する場として整備しました。「IF-STUDIO」は、新たなビジネスアイデアや製品・サービスの立案など、多様な人との対話によって、新たな価値が創造される工房(作業場)をイメージしています。
 このスタジオで、人が集い、皆で想像力(Imagination)をはたらかせ、多様な仮定(if)から福井発の新たな価値の創造(Innovation)を目指す、という意味が込められています。 
 フロア内にはベンチャー創出のための「アントレ戦略研究室」のほか、「コワーキングスペース」や「シェアオフィス」、対話やイベントなどを実施する「デザイン思考実践室」からなり、大学院生の授業の一環で学生が考案した繊維端材を再利用したブラインドやジーンズ端材を再利用した壁などがスタジオのアクセントとしてあしらわれています。オープンイノベーションを創出する開かれた場として開放し、枠に捉われない活用を行っていきます。



プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202503246187
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