中村勘九郎、父・勘三郎さんが演じた蔦重に挑む 『きらら浮世伝』が歌舞伎座に
歌舞伎俳優の中村勘九郎(43)、中村七之助(41)が12日、都内で松竹創業百三十年 歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』の取材会に参加した。
【写真】おちゃめ!ポーズ指定の指示を聞き間違えて抱擁しようとする中村勘九郎&中村七之助
今回、昼の部では、1988年3月に銀座セゾン劇場で上演された『きらら浮世伝(うきよでん)』が歌舞伎となって歌舞伎座に登場。劇団『善人会議(現・扉座)』の横内謙介氏が脚本を執筆、河合義隆氏が演出を手掛け、勘九郎時代の勘三郎さんが主演の蔦屋重三郎を演じた『きらら浮世伝』。タイトルの「きらら」は、蔦屋重三郎が世に送り出した謎の絵師・写楽が浮世絵の背景に好んで用いた「黒雲母(きらら)摺」から連想され、“江戸のメディア王”とも称される、“蔦重”こと蔦屋重三郎を中心に、江戸の若き才能たちが熱い魂を張らせて時代を駆け抜ける青春群像を展開し大きな話題を呼んだ。喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、恋川春町、太田南畝ら芸術家たち、吉原の遊女お篠が蔦屋重三郎と絡み合う。
今回の歌舞伎座での上演では、初演で脚本を手掛けた横内氏が脚本・演出をつとめ、父・勘三郎が勘九郎時代に演じた蔦屋重三郎に勘九郎が挑む新作。2025年はNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で主人公としても描かれる蔦屋重三郎。2月の歌舞伎座では、勘九郎の蔦屋重三郎に、七之助が遊女お篠で出演。中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の花形がそろった。
勘九郎は「『きらら浮世伝』は1988年、父が30代にセゾン劇場でやりました作品に挑戦したいと思いまして、お話したら通りまして、やることができました」と笑顔。続けて「この作品、なぜやりたかったかというと、もちろん来年のNHK大河ドラマ『べらぼう』で蔦屋重三郎を主人公とした作品を1年間を通してドラマでやるんですけれども、すごくうれしかったです。秀吉だとか、家康だとか、信長で大河ドラマというのは、もちろんあるんですけれども蔦屋重三郎という人を主人公にして、1番、江戸の芸術家だったりとか若い才能たちが爆発していた青春群像劇を大河でやるっていうのはとてもうれしくて。で『きらら』は僕もいつかやりたいなと思ってたんですけれども、このタイミングしかないということで、今回やらせていただきます」と意気込み。「セゾンで初演されたまんまを歌舞伎座に持っていくことは難しい。歌舞伎座仕様というか、演出を変えて。みんなで話し合いながらなんだろうな、抑圧された芸術家たちが本当に爆発していた青春群像劇というのをお見せできたらいいなと思います」と力を込めていた。
七之助は「父と食事をするときに毎回出てくるのが『きらら浮世伝』のけいこの様子、河合監督とのエピソード。けいこが壮絶だったと100回以上は聞いています。『お前は役者だろ。鼻血が出るまで考えてこい』と。いつもけいこ場で怒号が飛んでいたという。今の世の中で言ったハラスメントの局地みたいなけいこ場だったことが、いい思い出だったそうです」と明かす。「今『爆発』って言ってますけれども、そういうのが舞台に出るんでしょうね」としみじみ語った。
改めて蔦重の魅力も。勘九郎は「もちろん才能あふれる作家は、ごまんと居たでしょうけれども、版元として、そこを見抜く力、プロデュース能力はすごい。また吉原に生まれて、吉原で育った、その環境を生かした。クレイジーですよね。とてもクレイジーでありながら、それが定信の時代になって質素倹約になったことに対する幕府への反骨精神、戦いというのは我ら歌舞伎俳優と共通している部分でもあります。本当に常に戦ってた人だな、と。父とすごく被る部分を感じますね」と口にしていた。
歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』は、来年2月2日から25日まで。
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今回、昼の部では、1988年3月に銀座セゾン劇場で上演された『きらら浮世伝(うきよでん)』が歌舞伎となって歌舞伎座に登場。劇団『善人会議(現・扉座)』の横内謙介氏が脚本を執筆、河合義隆氏が演出を手掛け、勘九郎時代の勘三郎さんが主演の蔦屋重三郎を演じた『きらら浮世伝』。タイトルの「きらら」は、蔦屋重三郎が世に送り出した謎の絵師・写楽が浮世絵の背景に好んで用いた「黒雲母(きらら)摺」から連想され、“江戸のメディア王”とも称される、“蔦重”こと蔦屋重三郎を中心に、江戸の若き才能たちが熱い魂を張らせて時代を駆け抜ける青春群像を展開し大きな話題を呼んだ。喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴、恋川春町、太田南畝ら芸術家たち、吉原の遊女お篠が蔦屋重三郎と絡み合う。
今回の歌舞伎座での上演では、初演で脚本を手掛けた横内氏が脚本・演出をつとめ、父・勘三郎が勘九郎時代に演じた蔦屋重三郎に勘九郎が挑む新作。2025年はNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で主人公としても描かれる蔦屋重三郎。2月の歌舞伎座では、勘九郎の蔦屋重三郎に、七之助が遊女お篠で出演。中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の花形がそろった。
勘九郎は「『きらら浮世伝』は1988年、父が30代にセゾン劇場でやりました作品に挑戦したいと思いまして、お話したら通りまして、やることができました」と笑顔。続けて「この作品、なぜやりたかったかというと、もちろん来年のNHK大河ドラマ『べらぼう』で蔦屋重三郎を主人公とした作品を1年間を通してドラマでやるんですけれども、すごくうれしかったです。秀吉だとか、家康だとか、信長で大河ドラマというのは、もちろんあるんですけれども蔦屋重三郎という人を主人公にして、1番、江戸の芸術家だったりとか若い才能たちが爆発していた青春群像劇を大河でやるっていうのはとてもうれしくて。で『きらら』は僕もいつかやりたいなと思ってたんですけれども、このタイミングしかないということで、今回やらせていただきます」と意気込み。「セゾンで初演されたまんまを歌舞伎座に持っていくことは難しい。歌舞伎座仕様というか、演出を変えて。みんなで話し合いながらなんだろうな、抑圧された芸術家たちが本当に爆発していた青春群像劇というのをお見せできたらいいなと思います」と力を込めていた。
七之助は「父と食事をするときに毎回出てくるのが『きらら浮世伝』のけいこの様子、河合監督とのエピソード。けいこが壮絶だったと100回以上は聞いています。『お前は役者だろ。鼻血が出るまで考えてこい』と。いつもけいこ場で怒号が飛んでいたという。今の世の中で言ったハラスメントの局地みたいなけいこ場だったことが、いい思い出だったそうです」と明かす。「今『爆発』って言ってますけれども、そういうのが舞台に出るんでしょうね」としみじみ語った。
改めて蔦重の魅力も。勘九郎は「もちろん才能あふれる作家は、ごまんと居たでしょうけれども、版元として、そこを見抜く力、プロデュース能力はすごい。また吉原に生まれて、吉原で育った、その環境を生かした。クレイジーですよね。とてもクレイジーでありながら、それが定信の時代になって質素倹約になったことに対する幕府への反骨精神、戦いというのは我ら歌舞伎俳優と共通している部分でもあります。本当に常に戦ってた人だな、と。父とすごく被る部分を感じますね」と口にしていた。
歌舞伎座『猿若祭二月大歌舞伎』は、来年2月2日から25日まで。
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