【動画】車中泊ができそう ホンダ N―BOXジョイに試乗
ホンダは軽乗用車「N―BOX(エヌボックス)」シリーズに、アウトドア指向のJoy(ジョイ)を追加した。後部座席のシートレイアウトを工夫。背もたれを前方に倒すと、車中泊ができるほど広くて平らな空間が生まれる。
■平らで大きな空間
N―BOXは、国内新車販売でトップを走るスーパーハイトワゴン。シリーズは、穏やかな顔つきのスタンダード、力強い外観のカスタム、そして今回追加のジョイの3タイプになった。
ジョイのライバルになるのはスズキのスペーシア・ギア、ダイハツのタント・ファンクロス、三菱のデリカ・ミニなど。いずれも外観をアウトドア風にアレンジするとともに、シートの表皮に撥水(はっすい)加工の汚れにくい素材を採用するなどして使い勝手を高めている。ジョイのシートはチェック柄で、アウトドアというよりもカジュアルな雰囲気を醸している。
ジョイの一番の特徴は、リアシートのアレンジ。背もたれを前方に倒すと床がフラットになり、大きな室内空間が生まれる。運転席と助手席を前方に寄せると、奥行きは148センチにもなる。試しに横になってみたところ、身長172センチのリポーターが斜めになれば車中泊が可能な広さだった。
床面になるリアシート背面にはプレートとクッション材が入っているので「寝心地」もいい。早朝からの登山や明け方の写真撮影など、趣味の利用で仮眠する場所が欲しいときなどに重宝しそうだ。
後部座席の座面は簡単な操作で跳ね上げられるので、そのスペースに観葉植物など背の高い荷物を積むことができる。荷室の床下には容量約18リットルの収納スペース(フロアアンダーボックス)を備えている。
パワーユニットは、自然吸気エンジン(58馬力)とターボ(64馬力)が設定されている。車体色は、モノトーンが白と黒の2色。ルーフが黒い2トーンはグレーやベージュなど5色が用意されている。
■高速走行も快適
試乗車は2トーンのターボ車。N―BOXシリーズの自然吸気エンジンは大柄な車体に対して必要十分なパワーがあるが、やはり出力の大きいターボは走行に余裕がある。
走りの質感は軽自動車として一級品だ。足回りは柔らかめで乗り心地がいい。道路の修理跡やマンホールの乗り越えなどもしなやかにいなしてくれる。半面、車の重心が高いのでコーナリング中の車体の傾き(ロール)はやや大きめ。無理な運転はできない。
高速道路では、全速度追従のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が運転をサポートしてくれる。ホンダのACCは車線のほぼ中央をキープしてくれるので、リラックスして運転することができる。車内に侵入する騒音も軽自動車としてはよく抑えられており、長距離ドライブでも疲労は少なくて済みそうだ。
■助手席にもシートヒーター
外観の特徴は、「つぶらな瞳」と表現できるような丸みを帯びたヘッドランプと、黒い縁取りのフロントバンパー。ホイールは、黒い塗装のスチールホイールにハーフホイールキャップを装着。ターボ車はこれにメッキのホイールリングを追加して足元を飾っている。
試乗車は販売店オプションの「アクティブフェイスパッケージ」を装着しており、フロントグリルの「HONDA」のロゴとLEDフォグランプが顔つきを引き締めていた。
快適装備では、運転席と助手席に2段階に温度調節ができるシートヒーターを標準装備。前席の背面には可倒式のテーブルも備えている(ターボ車に標準装備)。
N―BOXシリーズは軽自動車と登録車(普通車)を合わせた国内新車販売で2022年、23年に1位を獲得。24年もトップを走っている。軽のスーパーハイトワゴンのジャンルでアウトドア指向のモデルが一定の人気を獲得する中で、「王者」がバリエーションを拡充した形だ。
【試乗車提供】ホンダカーズ田辺・稲成店(田辺市稲成町46、0739・24・4500)
【データ】(ターボ)全長×全幅×全高=3395×1475×1790ミリ▽ホイールベース=2520ミリ▽車重=930キロ▽駆動方式=FF▽エンジン=658cc水冷3気筒DOHC、最高出力47kW(64馬力)6000回転、最大トルク=104Nm(10・6キロ)2600回転▽燃料消費率(WLTCモード)=20・2キロ▽トランスミッション=CVT▽車両本体価格=212万7400円(2トーン)
リポーター 長瀬稚春=運転免許歴49年。紀伊民報制作部長
■平らで大きな空間
N―BOXは、国内新車販売でトップを走るスーパーハイトワゴン。シリーズは、穏やかな顔つきのスタンダード、力強い外観のカスタム、そして今回追加のジョイの3タイプになった。
ジョイのライバルになるのはスズキのスペーシア・ギア、ダイハツのタント・ファンクロス、三菱のデリカ・ミニなど。いずれも外観をアウトドア風にアレンジするとともに、シートの表皮に撥水(はっすい)加工の汚れにくい素材を採用するなどして使い勝手を高めている。ジョイのシートはチェック柄で、アウトドアというよりもカジュアルな雰囲気を醸している。
ジョイの一番の特徴は、リアシートのアレンジ。背もたれを前方に倒すと床がフラットになり、大きな室内空間が生まれる。運転席と助手席を前方に寄せると、奥行きは148センチにもなる。試しに横になってみたところ、身長172センチのリポーターが斜めになれば車中泊が可能な広さだった。
床面になるリアシート背面にはプレートとクッション材が入っているので「寝心地」もいい。早朝からの登山や明け方の写真撮影など、趣味の利用で仮眠する場所が欲しいときなどに重宝しそうだ。
後部座席の座面は簡単な操作で跳ね上げられるので、そのスペースに観葉植物など背の高い荷物を積むことができる。荷室の床下には容量約18リットルの収納スペース(フロアアンダーボックス)を備えている。
パワーユニットは、自然吸気エンジン(58馬力)とターボ(64馬力)が設定されている。車体色は、モノトーンが白と黒の2色。ルーフが黒い2トーンはグレーやベージュなど5色が用意されている。
■高速走行も快適
試乗車は2トーンのターボ車。N―BOXシリーズの自然吸気エンジンは大柄な車体に対して必要十分なパワーがあるが、やはり出力の大きいターボは走行に余裕がある。
走りの質感は軽自動車として一級品だ。足回りは柔らかめで乗り心地がいい。道路の修理跡やマンホールの乗り越えなどもしなやかにいなしてくれる。半面、車の重心が高いのでコーナリング中の車体の傾き(ロール)はやや大きめ。無理な運転はできない。
高速道路では、全速度追従のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が運転をサポートしてくれる。ホンダのACCは車線のほぼ中央をキープしてくれるので、リラックスして運転することができる。車内に侵入する騒音も軽自動車としてはよく抑えられており、長距離ドライブでも疲労は少なくて済みそうだ。
■助手席にもシートヒーター
外観の特徴は、「つぶらな瞳」と表現できるような丸みを帯びたヘッドランプと、黒い縁取りのフロントバンパー。ホイールは、黒い塗装のスチールホイールにハーフホイールキャップを装着。ターボ車はこれにメッキのホイールリングを追加して足元を飾っている。
試乗車は販売店オプションの「アクティブフェイスパッケージ」を装着しており、フロントグリルの「HONDA」のロゴとLEDフォグランプが顔つきを引き締めていた。
快適装備では、運転席と助手席に2段階に温度調節ができるシートヒーターを標準装備。前席の背面には可倒式のテーブルも備えている(ターボ車に標準装備)。
N―BOXシリーズは軽自動車と登録車(普通車)を合わせた国内新車販売で2022年、23年に1位を獲得。24年もトップを走っている。軽のスーパーハイトワゴンのジャンルでアウトドア指向のモデルが一定の人気を獲得する中で、「王者」がバリエーションを拡充した形だ。
【試乗車提供】ホンダカーズ田辺・稲成店(田辺市稲成町46、0739・24・4500)
【データ】(ターボ)全長×全幅×全高=3395×1475×1790ミリ▽ホイールベース=2520ミリ▽車重=930キロ▽駆動方式=FF▽エンジン=658cc水冷3気筒DOHC、最高出力47kW(64馬力)6000回転、最大トルク=104Nm(10・6キロ)2600回転▽燃料消費率(WLTCモード)=20・2キロ▽トランスミッション=CVT▽車両本体価格=212万7400円(2トーン)
リポーター 長瀬稚春=運転免許歴49年。紀伊民報制作部長