和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

育児の応援者増やそう 第1期講座始まる、和歌山県田辺市のNPO

人形を使って抱っこの仕方を説明する助産師の田中知恵さん(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
人形を使って抱っこの仕方を説明する助産師の田中知恵さん(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
 NPO法人南紀こどもステーションによる「子育て応援ボランティアスタッフ」の養成講座が、和歌山県田辺市高雄1丁目の市民総合センターで始まった。1期生が妊婦や未就学児への関わり方を学んでいる。


 子育て応援ボランティアスタッフは、同法人や運営する「きっずぱーく」が開く親子の広場で、子どもたちの様子を見守ったり、一緒に遊んだりする。地域の子育て支援を継続し、活動的なシニア世代の力を生かしたいと、初めて養成講座を開いた。

 シニアを中心に呼びかけ、24人の申し込みがあった。来年3月までの間に4回の講座があり、会場、または録画での補講で全講座を受講した人に認定証を渡す。

 このほど開かれた1回目の講座では、ちえの和助産院(上富田町)助産師の田中知恵さんが、妊婦や3カ月までの赤ちゃんの関わり方について講義をした。まず、胎児や新生児の人形を参加者に抱っこしてもらい、大きさや重さを実感してもらった。

 妊婦は黄体ホルモンの影響で体と心が不安定になり、病気や合併症が原因ではない不快な症状「マイナートラブル」が起こりがちなことや、赤ちゃんの睡眠や体温などの特徴、抱っこの仕方などを説明した。

 子育て世帯が悩みを打ち明けられる存在が少なくなってきており、自分たちはどのようなサポートができるか考えてほしいと呼びかけ、大切にしていることとして「話を聞くこと」「頑張っている保護者をねぎらうこと」などを挙げた。

 元公立保育園園長の城皆子さんは、3歳までの子どもの発達と関わり方について話をした。自身の経験を踏まえ「子どもは自分自身で体験して学んでいく。まずは見守り、危なくなってきたら間に入るようにする」と助言した。

 講義後の座談会で、参加者は「自分が出産、育児の時に聞きたかった」「保育の専門的なことを実践できるか不安になったが、もう一度資料を読んで頑張りたい」などと話していた。