【推しの子】アイ役・齋藤飛鳥、殺されるシーンは異例の撮影方法 アクア&ルビー子役にも驚き「ボロボロ涙を」【インタビュー後編】
ドラマ&映画で公開される【推しの子】実写映像化プロジェクトでアイ役に抜てきされた齋藤飛鳥。アイドルグループ・乃木坂46のエースとして活躍し、2023年には東京ドームで卒業コンサートを開催した元トップアイドルだ。そんな齋藤が卒業から間もなくアイを演じることには、齋藤本人も最初オファーを断っていたというほど大きな挑戦となった。インタビュー後編では、“物語のはじまり”ともいえるアイ最期のシーンの裏側と、同じアイドルとして役を演じたからこそ感じたアイへの思いを語った。
【撮り下ろし写真】美しさとかわいさの共存…さまざまな表情で魅せる齋藤飛鳥
■乃木坂46卒業後…後輩のライブは「めちゃくちゃ輝いて見えた」
――ドラマでは冒頭からステージで踊るB小町が描かれますが、乃木坂46卒業後に、またアイドルとしてパフォーマンスすることになりました。
【齋藤】最初は「無理かもしれない」と思っていました(笑)。なんとか10年以上ステージに立たせていただいていたけど、一度離れてしまうと感覚ももちろん鈍るし、“無理してる感”が出ないかなと心配していました。でも、やっぱりステージに立って客席にいるエキストラの皆さんの声とかを聞くと、“戻る”というか。乃木坂46としてライブをしていた頃の感覚が戻ってきて、素直にライブを楽しむことができました。振り付けもキャッチーだったので、すっと身体に入ってきました。
――そのライブシーンは齋藤さんの真骨頂というか、齋藤さんがアイを演じているということを印象付けるとても目を引くシーンでした。
【齋藤】ありがとうございます。原作への愛やリスペクトを大事にしながらも、存在感が強すぎる“アイ”という人物を生身の人間が演じるにあたって、自分を100%消すというよりは、それぞれのシーンで自分とアイの塩梅を調整しつつ演じることにしていました。
――ちなみにアイ役を通してアイドルを客観的にとらえることになったかと思いますが、卒業後に後輩が出演する乃木坂46のライブをご覧になられて改めて感じることはありましたか?
【齋藤】配信でも何度か見たんですが、、現地に行ってライブを見た時にあまりにキラキラしていて、自分があそこにいたなんて本当に信じられないぐらい、みんながめちゃくちゃ輝いて見えました。
――ご自身の卒業コンサートのちょうど1年後に同じ東京ドームで行われた山下美月さんの卒業コンサートにも足を運ばれたとか。
【齋藤】行きました。私はやっぱりあの卒業コンサートがあったからアイドルを無事にやりきれたし、最後に1番いいプレゼントをいただいたなと思っていて。後輩にはできるだけ卒業コンサートをやってほしいなと思っていました。やま(山下)の卒業コンサートも好きなことを楽しそうにやっていたり、一生懸命考えたんだろうなっていうのを感じて「幸せになってくれ」っていう気持ちでいっぱいになりました(笑)。すごくあったかい気持ちになりましたね。
■丸2日かけて撮影したアイの最期 演じた感想は「全然楽しくなかったです(笑)」
――齋藤さんの演技に引っ張られるように、幼少期のアクアとルビーを演じた子役の2人(幼少アクア役:岩川晴/幼少ルビー役:斉藤柚奈)の演技も圧巻でしたが、一番そばで見られていかがでしたか。
【齋藤】あんな小さな子が髪を染めてきたり、一生懸命に台詞を練習していたり、2人がそれぞれの役を演じることにすごく幸せを感じていて。アイが殺されるシーンでは、アクアが私のそばにいるんですけど本番前にすごく一生懸命1人で気持ちを作っていて驚きました。本番ではボロボロ涙を流しているんです。そんな姿を見て「愛おしいな」という気持ちが芽生えました。
――子役の2人もプロフェッショナルですね…。その殺されるシーンは【推しの子】を象徴する名場面ですが、齋藤さんはどんな気持ちで臨まれましたか。
【齊藤】あのシーンは作品にとっても、アイにとっても大切なシーンだと思うんですけど、監督から「このシーンはすごく大事なので何回も撮ります。多分何回も同じ芝居をやってもらうと思います」とすごいプレッシャーをかけられていました(笑)。実際、撮影方法も特殊で、丸2日間くらいかけていろんな撮り方と場所で同じシーンを撮影したんですけど、スタッフ・キャストの皆さんと一緒にいい空気感をつくれたのでなんとか演じきれました。
――アクアとルビーを演じた子役たちとは、実際に親子のような関係性に?
【齋藤】そうでもない気がします(笑)。アイって母親にはなりましたけど、死ぬ間際にやっと「愛してる」という言葉を言えた。ずっと子どもと楽しそうに接していても、自分の心の中では自問自答してるんじゃないかと思うんです。本当に私は子どもたちのことが好きなのかなとか、大事に思ってるのかなってずっと悩んでる人だと思うので、これは監督ともすり合わせをしましたけど、母親感がありすぎてもそれはアイじゃない。愛情深さが見えすぎてもいけないし、でも見えなさすぎてロボットみたいなのもアイじゃない。そんないい塩梅を探しながら、子役の2人とは距離感を大事に、近づきすぎずに演じました。
――これまで演じてきた役とは少し趣の違う、“アイ”という挑戦的な大役をやり遂げた感覚はありますか?
【齋藤】お芝居に関しては終わった今も何が正解だったか分からないままではありますし、100点をあげられるものでもないとは思いますが、今の自分に出せるものは出せたかなと思います。
――最後に聞きたいんですが、今回“アイ”を演じてみて楽しかったですか?
【齋藤】全然楽しくなかったです(笑)。つらくて、かわいそうな人っていうと言葉がちょっと強すぎますけど…。誰かもっとアイを愛してあげてほしかったなと思いました。
▼【推しの子】とは
2020年より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載中の赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏のタッグによる漫画が原作。単行本の累計発行部数は1800万部を突破した(2024年8月現在)。主人公が伝説的アイドル・アイの子どもとして転生するファンタジックな設定と、ショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇(ちゅうちょ)なく切り込んだストーリーで、幅広い世代の心をつかんでいる。
Amazonと東映による【推しの子】実写映像化プロジェクトは、ドラマシリーズを動画配信サービス「Prime Video」にて11月28日(木)午後9時よりAmazonのプライム会員向けに世界独占配信。ドラマの続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』は東映配給にて12月20日(金)より全国公開される。
【場面写真】完璧で究極のアイドル!アイとしてステージで輝く齋藤飛鳥
【動画】映画ではどう描く?【推しの子】本予告映像
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【撮り下ろし写真】美しさとかわいさの共存…さまざまな表情で魅せる齋藤飛鳥
■乃木坂46卒業後…後輩のライブは「めちゃくちゃ輝いて見えた」
――ドラマでは冒頭からステージで踊るB小町が描かれますが、乃木坂46卒業後に、またアイドルとしてパフォーマンスすることになりました。
【齋藤】最初は「無理かもしれない」と思っていました(笑)。なんとか10年以上ステージに立たせていただいていたけど、一度離れてしまうと感覚ももちろん鈍るし、“無理してる感”が出ないかなと心配していました。でも、やっぱりステージに立って客席にいるエキストラの皆さんの声とかを聞くと、“戻る”というか。乃木坂46としてライブをしていた頃の感覚が戻ってきて、素直にライブを楽しむことができました。振り付けもキャッチーだったので、すっと身体に入ってきました。
――そのライブシーンは齋藤さんの真骨頂というか、齋藤さんがアイを演じているということを印象付けるとても目を引くシーンでした。
【齋藤】ありがとうございます。原作への愛やリスペクトを大事にしながらも、存在感が強すぎる“アイ”という人物を生身の人間が演じるにあたって、自分を100%消すというよりは、それぞれのシーンで自分とアイの塩梅を調整しつつ演じることにしていました。
――ちなみにアイ役を通してアイドルを客観的にとらえることになったかと思いますが、卒業後に後輩が出演する乃木坂46のライブをご覧になられて改めて感じることはありましたか?
【齋藤】配信でも何度か見たんですが、、現地に行ってライブを見た時にあまりにキラキラしていて、自分があそこにいたなんて本当に信じられないぐらい、みんながめちゃくちゃ輝いて見えました。
――ご自身の卒業コンサートのちょうど1年後に同じ東京ドームで行われた山下美月さんの卒業コンサートにも足を運ばれたとか。
【齋藤】行きました。私はやっぱりあの卒業コンサートがあったからアイドルを無事にやりきれたし、最後に1番いいプレゼントをいただいたなと思っていて。後輩にはできるだけ卒業コンサートをやってほしいなと思っていました。やま(山下)の卒業コンサートも好きなことを楽しそうにやっていたり、一生懸命考えたんだろうなっていうのを感じて「幸せになってくれ」っていう気持ちでいっぱいになりました(笑)。すごくあったかい気持ちになりましたね。
■丸2日かけて撮影したアイの最期 演じた感想は「全然楽しくなかったです(笑)」
――齋藤さんの演技に引っ張られるように、幼少期のアクアとルビーを演じた子役の2人(幼少アクア役:岩川晴/幼少ルビー役:斉藤柚奈)の演技も圧巻でしたが、一番そばで見られていかがでしたか。
【齋藤】あんな小さな子が髪を染めてきたり、一生懸命に台詞を練習していたり、2人がそれぞれの役を演じることにすごく幸せを感じていて。アイが殺されるシーンでは、アクアが私のそばにいるんですけど本番前にすごく一生懸命1人で気持ちを作っていて驚きました。本番ではボロボロ涙を流しているんです。そんな姿を見て「愛おしいな」という気持ちが芽生えました。
――子役の2人もプロフェッショナルですね…。その殺されるシーンは【推しの子】を象徴する名場面ですが、齋藤さんはどんな気持ちで臨まれましたか。
【齊藤】あのシーンは作品にとっても、アイにとっても大切なシーンだと思うんですけど、監督から「このシーンはすごく大事なので何回も撮ります。多分何回も同じ芝居をやってもらうと思います」とすごいプレッシャーをかけられていました(笑)。実際、撮影方法も特殊で、丸2日間くらいかけていろんな撮り方と場所で同じシーンを撮影したんですけど、スタッフ・キャストの皆さんと一緒にいい空気感をつくれたのでなんとか演じきれました。
――アクアとルビーを演じた子役たちとは、実際に親子のような関係性に?
【齋藤】そうでもない気がします(笑)。アイって母親にはなりましたけど、死ぬ間際にやっと「愛してる」という言葉を言えた。ずっと子どもと楽しそうに接していても、自分の心の中では自問自答してるんじゃないかと思うんです。本当に私は子どもたちのことが好きなのかなとか、大事に思ってるのかなってずっと悩んでる人だと思うので、これは監督ともすり合わせをしましたけど、母親感がありすぎてもそれはアイじゃない。愛情深さが見えすぎてもいけないし、でも見えなさすぎてロボットみたいなのもアイじゃない。そんないい塩梅を探しながら、子役の2人とは距離感を大事に、近づきすぎずに演じました。
――これまで演じてきた役とは少し趣の違う、“アイ”という挑戦的な大役をやり遂げた感覚はありますか?
【齋藤】お芝居に関しては終わった今も何が正解だったか分からないままではありますし、100点をあげられるものでもないとは思いますが、今の自分に出せるものは出せたかなと思います。
――最後に聞きたいんですが、今回“アイ”を演じてみて楽しかったですか?
【齋藤】全然楽しくなかったです(笑)。つらくて、かわいそうな人っていうと言葉がちょっと強すぎますけど…。誰かもっとアイを愛してあげてほしかったなと思いました。
▼【推しの子】とは
2020年より「週刊ヤングジャンプ」(集英社)にて連載中の赤坂アカ氏と横槍メンゴ氏のタッグによる漫画が原作。単行本の累計発行部数は1800万部を突破した(2024年8月現在)。主人公が伝説的アイドル・アイの子どもとして転生するファンタジックな設定と、ショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇(ちゅうちょ)なく切り込んだストーリーで、幅広い世代の心をつかんでいる。
Amazonと東映による【推しの子】実写映像化プロジェクトは、ドラマシリーズを動画配信サービス「Prime Video」にて11月28日(木)午後9時よりAmazonのプライム会員向けに世界独占配信。ドラマの続きとなる映画『【推しの子】-The Final Act-』は東映配給にて12月20日(金)より全国公開される。
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