C&W、2024年Q3 の東京オフィス市況レポートを発表
空室率は供給に連動し小幅に上昇、名目賃料の上昇は小幅ながら継続
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、 東京におけるオフィス市況について最新のレポートを発表致しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O1-hA81KrjI】
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経済
2024年は令和6年能登半島地震の突発的な自然災害による影響や個人消費の弱さ等により、実質GDP成長率は前年比マイナス0.2%程度(2)、2025年は実質賃金が改善し、個人消費も緩やかに回復すること等を背景に同1.2%程度2と予想されている。2024年度の経常利益見通し(3)は前年比-1.0%。2024年度の経常利益の水準は過去10年平均を30%上回り(4)、企業の賃料負担能力は総じて底堅い。
東京都の雇用環境も国内雇用を上回る改善が継続。2019年第2四半期から2024年第2四半期にかけて、東京都の就業者数は年平均0.7%の増加(全国では同0.1%の増加)。産業別に雇用者数(原数値)の動向(5)をみると、卸売業・小売業は年平均2.0%減少したが、情報通信業は同5.5%(同5万人)の増加となり、産業集積効果の高いインターネット関連産業の雇用増加が、都内就業者数の増加を後押ししていく見通し。職種別に推定したオフィスを必要とする就業者数は同期間に年平均約1.6%(同6万人)(6)増加。在宅勤務の影響も一巡していることなどから、オフィス需要は着実に増加している。
需給
2024年第3四半期末の都心5区グレードAオフィス市場は、堅調な需要が供給を上回り、空室率は低下。年間ネットアブソープションは約11.1万坪と、新規供給量の減少により対前年比16.6%減だが、募集面積率は前年同期比2.4pp低下の4.7%、空室率は前年同期比1.8pp低下の3.3%となった。懸念されていた2023年以降の新規供給に関連した空室面積の増加は、当面のところ顕在化していない。個別事例をみると、大規模新築物件でテナントの入居時期が分散されたことにより、二次空室の発生時期も分散された事例や、既存テナントの館内増床で募集面積が埋め戻された事例が目立つ。
また、グレードアップ移転も引き続き増加傾向。2024年第3四半期に報道された1,000坪以上の移転事例(10件)では、自社ビルやグレードB以下のビルから新築及び未竣工のグレードAビルへ移転するケースが目立ち、大半のテナントがテレワーク等新しい働き方への対応を移転理由に挙げた。一方、1,000坪未満の移転事例(42件)では面積の拡張が半数を占めた。
2024年第3四半期末の内定率をみると、竣工1年以内の物件(貸室総面積約6.3万坪)で83.0%、今後1年以内に竣工予定の物件(貸室総面積約17万坪)では73.4%。オーナーのリーシング力や竣工時の満室稼動を目指すか等のスタンスの違いにより、内定率30%未満の物件がある一方、未竣工でも100%に近い内定率に達している物件も散見される。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O2-0fs259X1】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O3-n04DlWLO】
(注)
2) みずほリサーチ&テクノロジーズ
3) 2024年7月~9月期の法人企業景気予測調査における金融業、保険業を除く資本金10億円以上の企業が対象
4) 令和5年度法人企業統計調査における金融業、保険業を除く資本金10億円以上の企業が対象
5) 2024年1月から3月平均
6) 就業者数を、国勢調査(2020)、労働力調査(各年平均値)をもとにした産業別の職業分類に基づいて配分し、オフィスワーカー数を推計
賃料
2024年第3四半期の都心5区グレードAオフィス全体の平均想定成約賃料は前年同期比4.4%上昇の35,838円となり、募集賃料の上昇幅を上回った。総じてグレードAオフィス全体で稼働率が改善していることに加え、未竣工物件で建築費の上昇分が賃料に転嫁される等、グレードAオフィス全体の募集賃料に上昇圧力がかかる。エリア別では依然として丸の内・大手町が高い賃料水準をけん引しているが、周辺の八重洲・日本橋・京橋にも同様の動きが広がっている。他方、新規供給によって需給が緩んだエリアにおいては、フリーレントの長期化、契約期間初期の賃料支払いを軽減する段階賃料や、既存テナントの内装を引き継ぐ居抜きの提案等柔軟な条件をテナントに提示し、募集賃料に近い賃料で成約している事例も散見される。
都心5区グレードAオフィス賃料は回復基調ではあるが、グローバル規模でみればまだ本格改善とはいえない。下図にコロナ前後(2019年第4四半期末から2023年第4四半期末)の消費者物価指数(CPI)、空室率、賃料の変化を示した。総体的に、東京以外の主要都市ではCPIの伸びが大きい。例えば、ロンドンでは空室率が東京と同程度の上昇を示しているが、需給環境が緩んだ中でもオーナーが積極的に募集賃料を引き上げて成約していることがわかる。マンハッタンやシンガポールでは、小幅ながら賃料はコロナ前の水準を上回った。一方、東京都心5区グレードAオフィスの実質賃料は上昇傾向にあるものの、2019年第4四半期末比で2023年末12.9%減、直近2024年第3四半期末8.9%減と依然として賃料回復の遅れが目立つ。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O4-hY0AK5A2】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O5-1JC3abiC】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O6-y3jDm2P2】
*都心5区のグレードAオフィスに対応する各都市のエリア及びオフィスビルが対象、**ロンドンのCPIはイギリス全体だがその他は都市が属するエリアの最小単位、***マンハッタンは募集賃料、その他は実質賃料(フリー・レント等加味した想定成約賃料)、****サブ・リースによる空室を含まない
出所:Moody’s Analytics、Cushman &Wakefield
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O10-kkoEmaue】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410309088-O9-yJdmfH9k】
詳細レポートはPDFでご覧いただけます。
‐以上‐
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2023年の売上高は95億ドルを記録しました。受賞歴のある企業文化や、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)、サステナビリティに対するコミットメントにより、業界内外から高い評価を頂いております。
詳しくは、公式ホームページ https://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japan にアクセスするか公式X @CushWake をフォロー下さい。
プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202410309088
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、 東京におけるオフィス市況について最新のレポートを発表致しました。
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経済
2024年は令和6年能登半島地震の突発的な自然災害による影響や個人消費の弱さ等により、実質GDP成長率は前年比マイナス0.2%程度(2)、2025年は実質賃金が改善し、個人消費も緩やかに回復すること等を背景に同1.2%程度2と予想されている。2024年度の経常利益見通し(3)は前年比-1.0%。2024年度の経常利益の水準は過去10年平均を30%上回り(4)、企業の賃料負担能力は総じて底堅い。
東京都の雇用環境も国内雇用を上回る改善が継続。2019年第2四半期から2024年第2四半期にかけて、東京都の就業者数は年平均0.7%の増加(全国では同0.1%の増加)。産業別に雇用者数(原数値)の動向(5)をみると、卸売業・小売業は年平均2.0%減少したが、情報通信業は同5.5%(同5万人)の増加となり、産業集積効果の高いインターネット関連産業の雇用増加が、都内就業者数の増加を後押ししていく見通し。職種別に推定したオフィスを必要とする就業者数は同期間に年平均約1.6%(同6万人)(6)増加。在宅勤務の影響も一巡していることなどから、オフィス需要は着実に増加している。
需給
2024年第3四半期末の都心5区グレードAオフィス市場は、堅調な需要が供給を上回り、空室率は低下。年間ネットアブソープションは約11.1万坪と、新規供給量の減少により対前年比16.6%減だが、募集面積率は前年同期比2.4pp低下の4.7%、空室率は前年同期比1.8pp低下の3.3%となった。懸念されていた2023年以降の新規供給に関連した空室面積の増加は、当面のところ顕在化していない。個別事例をみると、大規模新築物件でテナントの入居時期が分散されたことにより、二次空室の発生時期も分散された事例や、既存テナントの館内増床で募集面積が埋め戻された事例が目立つ。
また、グレードアップ移転も引き続き増加傾向。2024年第3四半期に報道された1,000坪以上の移転事例(10件)では、自社ビルやグレードB以下のビルから新築及び未竣工のグレードAビルへ移転するケースが目立ち、大半のテナントがテレワーク等新しい働き方への対応を移転理由に挙げた。一方、1,000坪未満の移転事例(42件)では面積の拡張が半数を占めた。
2024年第3四半期末の内定率をみると、竣工1年以内の物件(貸室総面積約6.3万坪)で83.0%、今後1年以内に竣工予定の物件(貸室総面積約17万坪)では73.4%。オーナーのリーシング力や竣工時の満室稼動を目指すか等のスタンスの違いにより、内定率30%未満の物件がある一方、未竣工でも100%に近い内定率に達している物件も散見される。
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(注)
2) みずほリサーチ&テクノロジーズ
3) 2024年7月~9月期の法人企業景気予測調査における金融業、保険業を除く資本金10億円以上の企業が対象
4) 令和5年度法人企業統計調査における金融業、保険業を除く資本金10億円以上の企業が対象
5) 2024年1月から3月平均
6) 就業者数を、国勢調査(2020)、労働力調査(各年平均値)をもとにした産業別の職業分類に基づいて配分し、オフィスワーカー数を推計
賃料
2024年第3四半期の都心5区グレードAオフィス全体の平均想定成約賃料は前年同期比4.4%上昇の35,838円となり、募集賃料の上昇幅を上回った。総じてグレードAオフィス全体で稼働率が改善していることに加え、未竣工物件で建築費の上昇分が賃料に転嫁される等、グレードAオフィス全体の募集賃料に上昇圧力がかかる。エリア別では依然として丸の内・大手町が高い賃料水準をけん引しているが、周辺の八重洲・日本橋・京橋にも同様の動きが広がっている。他方、新規供給によって需給が緩んだエリアにおいては、フリーレントの長期化、契約期間初期の賃料支払いを軽減する段階賃料や、既存テナントの内装を引き継ぐ居抜きの提案等柔軟な条件をテナントに提示し、募集賃料に近い賃料で成約している事例も散見される。
都心5区グレードAオフィス賃料は回復基調ではあるが、グローバル規模でみればまだ本格改善とはいえない。下図にコロナ前後(2019年第4四半期末から2023年第4四半期末)の消費者物価指数(CPI)、空室率、賃料の変化を示した。総体的に、東京以外の主要都市ではCPIの伸びが大きい。例えば、ロンドンでは空室率が東京と同程度の上昇を示しているが、需給環境が緩んだ中でもオーナーが積極的に募集賃料を引き上げて成約していることがわかる。マンハッタンやシンガポールでは、小幅ながら賃料はコロナ前の水準を上回った。一方、東京都心5区グレードAオフィスの実質賃料は上昇傾向にあるものの、2019年第4四半期末比で2023年末12.9%減、直近2024年第3四半期末8.9%減と依然として賃料回復の遅れが目立つ。
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*都心5区のグレードAオフィスに対応する各都市のエリア及びオフィスビルが対象、**ロンドンのCPIはイギリス全体だがその他は都市が属するエリアの最小単位、***マンハッタンは募集賃料、その他は実質賃料(フリー・レント等加味した想定成約賃料)、****サブ・リースによる空室を含まない
出所:Moody’s Analytics、Cushman &Wakefield
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‐以上‐
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2023年の売上高は95億ドルを記録しました。受賞歴のある企業文化や、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)、サステナビリティに対するコミットメントにより、業界内外から高い評価を頂いております。
詳しくは、公式ホームページ https://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japan にアクセスするか公式X @CushWake をフォロー下さい。
プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202410309088