和歌山県白浜町３７２０に懐石・会席料理「御料理　竹寳」（竹中和也店主）がこだわり抜いた一戸建て店舗を構え、移転した。「幸せを感じていただける料理と空間を満喫していただければ」と竹中店主。


　建築に際し、重視したのは「シンプルで”凜（りん）”とした建物」というコンセプト。壁、床、天井、収納スペース、ワインクーラーや庭に至るまで、材料や技法を厳選し、完成までに２年半かけた。

　通路から玄関への空間は、格子戸、植栽などで茶室風のたたずまいになっている。外壁は九州の火山灰の「そとん壁」で、特別な落ち着いた色に仕上げている。植栽はシダレザクラ、イロハモミジ、ホテイ竹をメインに３０種類以上あり、四季折々の風情が楽しめる。

　店内に入ると、樹齢１００年以上というヒノキの一枚板のカウンター（８席）が圧巻＝写真。カウンター正面のカシュー塗り（紀州塗り）はふっくら感と艶がある。その中央には、淡いシルバーの店紋が施されている。カウンター席と通路の間は、竹林のように竹で仕切ってある。カウンターと個室の天井は紙をよって編んだ特殊なクロスを使用している。

　個室は３部屋（最大１６人まで）。テーブルは龍神産の杉を使用、もともと１枚板なのでつなぐと木目が合致した大テーブルになる。

　床は、伝統的な左官工法の豆砂利洗い出し床。玄関待合スペースの壁は土佐漆喰（しっくい）。

　食材やアルコールなどの飲料は「和歌山産のいいものをアピールしたい」と竹中さん。

　営業時間は午前１１時半～午後２時（入店は午後１時まで）、夜は午後５時～１０時（入店は午後８時まで。ラストオーダー午後９時）、水、木曜定休。電話０７３９・４３・２５１０。