和歌山県新宮市にある世界遺産・熊野速玉大社の例大祭を締めくくる神事「御船祭」が１６日に営まれ、和歌山と三重の県境を流れる熊野川を舞台に、９隻の早船による競漕（きょうそう）が繰り広げられた。

　速玉大社の例大祭は国の重要無形民俗文化財に指定されている。

　この日の御船祭は雨の影響で時間を繰り上げ、午後３時半ごろ始まった。大社近くの河原で、ご神体を乗せた神幸船（しんこうせん）を先導する役割を担うという木造の早船（長さ約９メートル）１隻につき１１人の男衆が乗り込み、約１・６キロ上流にある御船島に向かって勢いよく出発。島を周回し、ゴールまでの先着を競った。

　見守っていた人たちから力強く櫂（かい）をこぐ男性たちに、「頑張れ」と声援が飛んでいた。