和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年09月24日(火)

手術不能、再発のホルモン受容体陰性かつHER2 陰性乳がん治療薬トロデルビ(R)の製造販売承認を取得

HR-/HER2-(通称トリプルネガティブ)乳がんの治療薬

2024年9月24日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、化学療法歴のある手術不能または再発のホルモン受容体陰性かつHER2陰性(HR-/HER2-)乳がん治療薬として、 トロデルビ(R)点滴静注用200mg(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)の日本における製造販売承認を取得 
―HR-/HER2-(IHC スコア 0、IHC スコア 1+またはIHC スコア2+/ISH 検査陰性)(通称トリプルネガティブ)乳がんの治療薬―

ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ケネット・ブライスティング)は、本日、化学療法歴のある手術不能または再発のホルモン受容体陰性かつHER2陰性(HR-/HER2-、通称トリプルネガティブ)乳がんの治療薬「トロデルビ®点滴静注用200mg」(一般名:サシツズマブ ゴビテカン)の日本における製造販売承認を取得しました。本剤は、TROP-2たんぱくを標的とする抗体薬物複合体(ADC)で、治療歴を有するトリプルネガティブ乳がん患者さんに新たなベネフィットをもたらす可能性のある治療選択肢となります。

今回の承認は、2つ以上の化学療法歴のある手術不能または再発のトリプルネガティブ乳がん患者さんを対象にサシツズマブ ゴビテカンと医師選択治療の有効性と安全性を比較する海外での第III相臨床試験(ASCENT)と、2つ以上の化学療法歴のある手術不能または再発のトリプルネガティブ乳がん患者さんを対象にサシツズマブ ゴビテカンの有効性と安全性を評価した国内の第II相臨床試験(ASCENT-J02)の結果に基づくものです。

本承認を受け、名古屋市立大学 医学研究科 共同研究教育センター 臨床研究戦略部の特任教授を務める岩田広治先生は次のようにコメントしています。「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、転移・再発を起こしやすく、転移後の平均生存期間も13か月と予後不良なタイプです。近年使用可能になった免疫チェックポイント阻害剤のほかに、新しい治療選択肢の登場が待たれていました。海外で既に承認されていたサシツズマブ ゴビテカンの国内における承認は、生存期間の延長が期待できる選択肢が増えた朗報と言えます。TNBC患者さんやそのご家族、そして医療従事者においても、待望の薬剤承認であり、とても喜ばしいことと言えるでしょう」
また、当社代表取締役社長のケネット・ブライスティングは「当社はオンコロジー領域のコミュニティ、患者さん、医学界、産業界におけるパートナーと協力して、がんの治癒を目指しています。サシツズマブ ゴビテカンは再発・転移性のトリプルネガティブ乳がんに対して全生存期間(OS)を大幅に伸長し、世界で最初に承認されたTROP-2たんぱくを標的とするADCで、すでに世界約50カ国の患者さんに届けられています。今回ついに日本の患者さんにこの重要で新たな治療選択肢を提供するための大きな一歩を踏み出せたことを大変うれしく思います。当社は今後もがん患者さんに革新的な治療薬を届けられるよう、努めていく所存です」と述べています。

ホルモン受容体陰性かつHER2陰性(HR-/HER2-)乳がんについて
HR-/HER2-(IHCスコア 0、IHCスコア 1+またはIHC スコア 2+/ISH検査陰性)乳がんは、最も悪性度の高いタイプの乳がんで、乳がん全体の約10%を占めます。HR-/HER2-乳がんの細胞は、エストロゲンとプロゲステロンの受容体の発現がなく、HER2(ヒト上皮成長因子受容体2)の発現も限定的もしくは全くありません。HR-/HER2-乳がんはその性質上、他の乳がんに比べて有効な治療法が極めて限られており、再発や転移の可能性が高いといわれています。他の乳がんにおける転移再発までの平均期間が5年であるのに対し、HR-/HER2-乳がんは約2.6年です。5年生存率は、一般的な再発乳がんの女性においては28%、HR-/HER2-再発乳がんにおいては12%となっています。

ASCENT試験について
被験者529名が、サシツズマブ ゴビテカン(267例)群と医師選択治療群(262例)に無作為に割り付けられました。主要評価項目はベースライン評価時に脳転移が認められなかった集団(BM Neg集団)を対象とした無増悪生存期間(PFS)とし、RECISTガイドライン1.1版に基づき盲検下独立中央判定により評価したところ、サシツズマブ ゴビテカン群のPFSは、医師選択治療群と比較して統計学的に有意な改善を示しました。加えて、全体集団(脳転移の有無を問わない)を対象としたPFS、全生存期間(OS)、盲検下独立中央判定による客観的奏効率(ORR)を副次的評価項目として評価したところ、サシツズマブ ゴビテカン群の全体集団を対象としたPFS、OS、ORRは医師選択治療群と比較して統計学的に有意な改善を示しました。

ASCENT-J02試験について
被験者数36名について主要評価項目をORRとし、RECISTガイドライン1.1版に基づき独立判定により評価したところ、ORRは25.0%(95%信頼区間:12.1,42.2)でした。また、独立判定によるPFSについて副次的評価項目として評価したところ、中央値は5.6ヵ月(95%信頼区間:3.9,未達)でした。さらに、生存状況に関する追跡期間の中央値は6.1ヵ月でした。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、35年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

 



プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202409206731
提供: