シンガーソングライターの南こうせつ（75）が23日、東京・九段下の日本武道館でライフワークとする野外コンサート『サマータイムピクニック』の最終公演『ラストサマーピクニックin武道館』を開催した。

【写真】熱唱する南こうせつ、さだまさし、森山良子

　『サマーピクニック』は、デビューして55年、南こうせつがライフワークにしていた伝説の野外コンサート。南が1981年に熊本でスタートし、90年まで10年連続で福岡、大分など九州各地で行ってきた。99年、2009年、14年、19年に復活してきたが、今回、“ラスト”と銘打って、日本人アーティストで最初に公演を行った記念の地“日本武道館”で『ラストサマーピクニック in 武道館』を開催。メモリアルイベントは1万人を動員し、チケットは完売となった。

　『サマーピクニック』のヒストリー映像がビジョンに映し出された後、アコースティックギターを抱えた南がバンドメンバーと共にステージ登場。会場のファンに手を振り、大きな拍手が響く中、「あの日の空よ」でスタートした。

　1曲を歌い終わった後、「皆さん、ようこそいらっしゃいました！『サマーピクニック』は、1981年から九州の地にこだわって10回やって、その後、リクエストがいっぱいありまして、何年後とかにもやって、今回、実は15回目になります」とあいさつ。

　そして大雨の中で開催された第1回の思い出を振り返りつつ「でも、きょうは（ステージセットに）夏の青空にサマピちゃんがいます。あのころを思い出しながら、皆さんもいろんな野外コンサートにも参加したでしょう。そういった楽しかった夏のイベントを思い出しながら、多分3時間を過ぎると思いますが（笑）、参加された1万人の人たちとは何か縁があるんだよね。そんなことも感じながら歌いから、お互いに人生のいい思い出にしたいと思います。よろしく！」と呼びかけた。

　ゲストは、さだまさしと森山良子で、サプライズゲストとして、ゆずが登場。「神田川」「夢一夜」などの名曲を惜しげもなく披露した。アンコールで再登場すると南は「私の一生の思い出に、この拍手と歓声をずっと私の脳の中に記録していました。こんなに楽しい夜はなかったです。ありがとう！」と笑顔で語り、「こうせつ」コールに万感の表情を浮かべた。

　アンコールも含め、29曲を披露。ラストソングとして歌ったのは、1曲目同様に「あの日の空よ」だった。同曲は『サマーピクニック』のテーマ曲となる。会場一体となって大合唱。「歌が好きだよ…」といった感情のこもった歌詞に武道館が1つになっていた。「どうもありがとう～！」と歌い終え、ギターを置いた南はバンドメンバーを両手を挙げて深々とお辞儀。「こうせつ～」「ありがとう～」というファンの声に送られて、ステージを去った。

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