不登校に悩む親子を対象にした講演会が、和歌山県田辺市新庄町のビッグ・ユーであった。高校卒業までに１００の資格を取得し「資格王」と呼ばれ、不登校生の自立支援などに携わる永野彰一さんが「他人は変えられない。自分が変わるしかない」と述べた。

　生きづらさを抱えた若者の居場所、仲間づくりをしている一般社団法人「Ｇｉｆｔｅｄ　Ｃｒｅａｔｉｖｅ（ギフテッド　クリエーティブ）」（田辺市湊）が企画した。

　永野さんは中学３年時にいじめに遭い、実家の事業破綻も重なって不登校になった。自分を変えようと資格取得に挑戦。「小さな成功体験を増やすことが大事。１００の資格を取ることで視野が広がった」と強調。「目標の実現には期限を設けることが必要。いつまでに、何をするか決めることで、今やるべきことが定まる」と助言した。

　現在は自身の経験を生かし、不登校生の支援をしたり、学生と連携して各地でフリーペーパーを発行したりしている。空き家問題に困っている物件を引き取り、さまざまな事情で家を借りにくい人に向けて賃貸業も展開している。

　永野さんは「人生は生まれた環境で決まると思っている人が多いが、それだけではない。どう生きたかで人生は変わる」とエールを送った。