和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月10日(木)

ニホンミツバチつなぐ「縁」 静岡から中学校に巣箱、和歌山・みなべ

静岡市の杉山義久さんが高城中学校に贈ったニホンミツバチの巣箱(16日、和歌山県みなべ町滝で)
静岡市の杉山義久さんが高城中学校に贈ったニホンミツバチの巣箱(16日、和歌山県みなべ町滝で)
 和歌山県みなべ町滝、高城中学校(高台浩校長)に、静岡市の杉山義久さん(77)から、手作りのニホンミツバチの巣箱が届いた。同校がニホンミツバチの学習や巣箱作りに取り組んでいることを、報道で知ったことがきっかけ。ニホンミツバチが取り持つ縁に、生徒らは喜んでいる。


 同校では2021年2月から、総合的な学習の時間で世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を学んでいる。ニホンミツバチは花の受粉を助けるなど、梅栽培で重要な役割を果たしており、生徒は地元の高城地域共育協議会会長で、ニホンミツバチの保護活動をしている梅農家の下村勤さん(80)らに教わりながら、学習したり、巣箱を作ったりしてきた。

 先月には、生徒が作った巣箱に初めてニホンミツバチが巣を作った。そのことを、インターネットに掲載されていた紀伊民報の記事で知った杉山さんが、同校に連絡を取り、巣箱をプレゼントした。

 杉山さんは6年前から、趣味で静岡市の自宅裏のミカン山でニホンミツバチを飼っており、「重箱式」の巣箱を作っている。贈った巣箱はスギ製で幅約33センチ、奥行き約38センチ、高さ約57センチの6段の重箱式。杉山さんはこれまで100個以上作っており、興味のある人に譲ってきたという。

 杉山さんは「自分の孫と同じ年頃の中学生がニホンミツバチに興味を持ち、活動していることを知り、とてもうれしく感じた。ニホンミツバチは貴重であり、大人になってもずっとミツバチの勉強を続けてくれたら」と呼びかけている。

 2年生の長瀬千樹さんは「僕たちのニュースを静岡の人が知ってくれたことがうれしい。杉山さんが自分で作った巣箱を送ってくれたことに驚いた。とても立派な巣箱で、この巣箱にもニホンミツバチが入ってくれたらうれしい」と話した。

 現在、同校では校舎周辺の8カ所に、生徒手作りの巣箱を置いている。杉山さんの巣箱も16日、校舎周辺に設置した。