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2024年12月23日(月)

新宮城の復元画を制作 愛知県の栢木隆さん

栢木隆さんが制作した新宮城の復元画
栢木隆さんが制作した新宮城の復元画
 愛知県尾張旭市の栢木隆さん(55)がこのほど、かつて和歌山県新宮市にあった新宮城の復元画を制作した。原画と版権を託された新宮城復元対策委員の小渕伸二さん(70)=新宮市新宮=は「なるべくたくさんの人に見てもらいたい」と、今後の展示方法を検討している。

 日本古城友の会会員の栢木さんは、近世城郭の絵を数多く描いている。今回の絵はカラーの鳥瞰(ちょうかん)図で縱約38センチ、横約53センチ。可能な限りの資料を基に天守閣、二の丸、出丸などの建物のほか、周囲の熊野川や山などが詳細に描かれている。栢木さんは、この絵以外にも時代の違う新宮城の絵を小渕さんに寄贈している。

 熊野川流域の備長炭を江戸へ出荷する際の拠点にもなっていた新宮城は、1873年の廃城令で払い下げられ、75年までに全て取り壊された。現在は石垣のみとなっているが、2003年に国史跡に指定されている。