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2024年12月21日(土)

「日本三百名山」を踏破 和歌山県田辺市の上田修司さん、50年近くかけ達成

北海道の神威岳を登った上田修司さん(本人提供)
北海道の神威岳を登った上田修司さん(本人提供)
 和歌山放送田辺支局長の上田修司さん(68)=和歌山県田辺市上屋敷2丁目=が、「日本三百名山」(301座)を踏破した。大学生の時に大峰山(奈良県、標高1915メートル)を登頂して以降、中断期間を含め50年近くかけ、登山愛好者の目標を達成した。「ようやくという感じで、達成感がある。健康でいられたことと、登山へ行くことを許してくれた家族のおかげ」と話している。


 301座目は神威岳(かむいだけ=北海道、1601メートル)。15日未明に歩き始め、約6時間後に頂上へ着いた。道らしい道がなく、急な登りも多い行程で、3分の2は沢を進んだ。登山アプリでルートを確認しながら、脇に生えるササをかきわけて歩いた。5月下旬に左膝に痛みが生じてから、山道は全く歩いていなかったという。

 驚くのは登山の頻度。「日本二百名山」踏破が2020年3月。それから3年5カ月で「三百名山」で訪れていなかった89座を巡った。新型コロナウイルスの影響もあって時間に余裕が生まれたことも大きかった。「何かに取りつかれたように登った。一つ一つを楽しむというより、ひたすら頂上を目指す思いだった」と振り返る。

 一方で、各地を訪ねた際の記憶は鮮明だという。「あの山では和歌山の人と出会ったとか、まだ雪が残っていたなとか、それぞれに思い出がある」と語る。土産を必ず購入し、自身も出演するラジオ番組のリスナー向けのプレゼントにするのが恒例になっている。

 301座を登頂しても「登山愛」は全く絶えない。9月には登山仲間とモンブラン山群を歩くためにフランス、スイス、イタリアを訪れる予定だ。国内では、各都道府県の最高峰のうち、二ノ峰(にのみね=福井県、2095メートル)と於茂登岳(おもとだけ=沖縄県、526メートル)にまだ登っていないため、これが「次の目標」と話している。