和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

トンネルに生徒が書いた銘板 みなべ町清川と田辺市龍神村境界に建設、和歌山

「切目辻トンネル」の文字を揮毫し、清川側で記念撮影する高城中学校の生徒(上)と、福井側で記念撮影する龍神中学校の生徒と教諭
「切目辻トンネル」の文字を揮毫し、清川側で記念撮影する高城中学校の生徒(上)と、福井側で記念撮影する龍神中学校の生徒と教諭
 和歌山県のみなべ町清川と田辺市龍神村福井境界の国道424号で建設されている新しい「切目辻トンネル」に、銘板2枚が取り付けられた。揮毫(きごう)したのは、高城中学校(みなべ町滝)と龍神中学校(田辺市龍神村安井)の生徒らで、自分たちの書いた文字で出来上がった銘板に感動していた。


 揮毫した高城中の生徒は、1年生の長瀬千樹君と硲琥大朗君、2年生の池田果歩さんと森下葵さん、柳生聖奈さん、山川美月さん、植野恭弘君、古川大輝君、3年生の長瀬逸樹君の9人で、いずれも清川地域在住。「切目辻トンネル」の7文字のうち、「ン」と「ネ」は1文字を2人で担当、それ以外の文字は1人で書いた。何度も練習をして、なんとか形になったという。

 龍神中の生徒は、いずれも1年生で下山路在住の小杉來優音さん、後藤愛依さん、小柳妃莉さん、鈴木龍也君、水田絢心君、渡瀬唯菜さんの6人。咲楽小学校(福井)の6年生だった3月に、担任だった玉置莉沙教諭(35)も加わり、1文字ずつ書いた。

 いずれの銘板も御影石で、横3メートル、縦60センチ。高城中の生徒が揮毫した銘板はトンネルの清川側出入り口、龍神中の生徒の銘板は福井側出入り口に取り付けられた。それに合わせて両校の生徒らが現場を訪れ、工事関係者から工事の概要やトンネルの掘り方などの説明を聞き、銘板とともに記念撮影をした。その後、延長829メートル、幅6・5メートル、高さ4・5メートルのトンネルの中を端から端まで歩いた。

 高城中の長瀬千樹君は「みんなで頑張って書いた。出来はまあまあだが、中学生の良い記念になる」、龍神中の後藤さんは「良い経験をさせてもらった。開通してから見るのが楽しみ」と話した。

 トンネルの工事は、安全でスムーズに通行できるようにするため清川、福井両側の道路も含め約1・2キロ区間で続けられている。トンネルの掘削工事は2022年3月から始まり、11月下旬に貫通し、今月末におおむね完成する。両側の取り付け道路の工事がしばらくかかるため、開通日はまだ決まっていない。