和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月04日(水)

野球も梅も最盛期 和歌山ウェイブス、田辺出身の關矢投手

5月28日、地元での公式戦に初登板し、1回を無失点に抑えた關矢光佑投手(和歌山県上富田町朝来の上富田スポーツセンターで)
5月28日、地元での公式戦に初登板し、1回を無失点に抑えた關矢光佑投手(和歌山県上富田町朝来の上富田スポーツセンターで)
 野球・さわかみ関西独立リーグに所属する和歌山ウェイブスの關矢光佑投手(23)は和歌山県田辺市出身で、5月初旬に入団した。実家は三栖地域の農家で、最盛期を迎えた梅の収穫作業に追われながら野球を楽しんでいる。川原昭二監督(69)からは「6月はフル回転でいく」と期待されており、野球と農業に大忙しだ。

 關矢投手は三栖少年野球クラブから衣笠中学校、熊野高校の野球部に所属。桃山学院大学(大阪府)でも野球を続け、卒業後は地元に戻って両親と農業をしながら社会人の軟式野球チームでプレーしていた。「硬式でまだできるかも」と、農業をしながら野球に打ち込めるウェイブスへの入団を希望した。

 川原監督から「これも何かの縁。俺についてくるか」と認められ、入団して5日後の5月12日、堺市であった堺シュライクス戦に3番手で登板し、1回を無失点に抑えた。20日に大阪府豊中市であった大阪ゼロロクブルズ戦では1回1失点だったが、28日に上富田町朝来の上富田スポーツセンターであったブルズ戦では2点リードの8回に登板し、クリーンアップを三者凡退に抑えた。

 28日は午前5時半から梅採りをした後に球場入り。急な斜面での収穫作業は危険も伴うが「ウオーミングアップだと思っている。自分でやると決めたことなので、忙しいとは言っていられない」と覚悟を口にする。

 野球と農業の両立や、川原監督との出会いで日々の成長を実感している。「一日一日を大切に、とにかくこの1年を頑張る。それが今後の人生の役に立つと思う。もし挑戦したい人がいたら、1年だけでもいいのでやってみてほしい」と目を輝かせた。

■地元選手が活躍

 和歌山ウェイブスで地元の選手が活躍している。關矢投手のほか、新人で開幕から1番・中堅手を任され、盗塁数でリーグトップを独走する小川佐和選手(22)も田辺市出身。新人の小﨑雅斗投手(18)は和歌山市出身で、5月28日の公式戦で初登板、初勝利を挙げた。