和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

龍神温泉でコーヒーと自然満喫 カフェと情報発信拠点がオープン

カフェに置いている焙煎機で、コーヒー豆を焙煎する中川政寿さん(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
カフェに置いている焙煎機で、コーヒー豆を焙煎する中川政寿さん(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
 和歌山県田辺市龍神村の龍神温泉街に、コーヒー豆の焙煎(ばいせん)所とカフェを兼ねた「豆んと森珈琲 NATURE ACTIVITY BASE(ネイチャーアクティビティベース)」がオープンした。山歩きなどアウトドア体験の案内所や情報発信の拠点にもなっており、経営する中川政寿さん(41)=龍神村小又川=は「ここにカフェがあることで、少しでも龍神温泉に来てもらいやすくなってくれたら」と話している。


 営業日は基本土曜と日曜。平日はアウトドア体験の案内がない場合に店を開ける予定だ。

 中川さんは奈良県出身で、龍神村の環境を気に入り7年ほど前に家族で移住。登山道を走るトレイルランナーとして活動しながら、インストラクターや観光ガイドに加え、コーヒー豆の焙煎士としても働く。龍神村の休耕田を活用したサツマイモの栽培にも取り組んでいる。

 店はもともと喫茶店だったが、店主が亡くなり閉店していた。コーヒー豆の焙煎士をしていた縁で、知人から声をかけてもらい、店を引き継ぎ復活させることを決断。クラウドファンディングで費用の一部を募り、開店までこぎ着けた。

 カフェでは、主にブラジルやエチオピア、インドネシア産のコーヒー豆を使用。炭火とガスの2種類の焙煎機を置いており、店内には香ばしい香りが漂っている。焙煎の前に龍神温泉の温泉水で洗い、雑味のないまろやかな味わいに仕上げたコーヒー豆「ドラゴンウォッシュロースト」も味わえる。

 希望者は焙煎体験もでき、自分で焙煎したコーヒーを飲むことができる。売り切れ次第終了するが、龍神村産のサツマイモを使った焼き芋も販売する。夏場はかき氷がメニューに加わる。

 また、高野山から龍神村を経て熊野三山に続く幻の熊野古道「奥辺路」を中心に、護摩壇山や果無山脈での山歩きやトレイルラン、道普請といったアクティビティを案内。サツマイモの農業体験ツアーなども考えており、地域おこしに向けた関係人口づくりの拠点としても活用していくという。

 中川さんは「ドラゴンウォッシュローストは、龍神ならではのコーヒーとして、喜んでくれる人が多い。龍神村のファンをつくり、来てくれる人を増やしたい」と話している。

 地元の人にも龍神温泉に来てほしいという思いから、龍神村の住民を対象に8月まで、1人1杯コーヒーを無料とするキャンペーンも実施している。