和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

コロナ5類移行、3割弱が「良い影響」 感染拡大の不安も、和歌山県内の事業者

新型コロナの5類移行により客足の回復を期待する和歌山県田辺市内の飲食街
新型コロナの5類移行により客足の回復を期待する和歌山県田辺市内の飲食街
 新型コロナウイルスの感染症法上での「5類」移行を巡り、和歌山社会経済研究所が県内の事業所に、その影響をアンケートしたところ、良い影響があると回答した割合は3割弱にとどまった。事業者からは、感染拡大を心配する声もあったという。


 研究所は新型コロナの5類移行前の3月、2千事業所にアンケートを発送し、704社から回答を得た。

 5類移行について「良い影響」と答えたのは28・0%。「悪い影響」は5・1%、「影響なし」が26・8%、「分からない」が28・2%などだった。

 「良い影響」の理由としては「濃厚接触者の出勤自粛要請の必要がないので、人手不足が解消できる」「人出が増加し、消費者の購買意欲向上が期待できる」「業務外の職員間交流が図れる」などがあった。

 「悪い影響」の理由は「経済活動が活発化すれば資材の仕入れ価格が高騰する」「中小企業で人材不足が加速する」「巣ごもり需要が減少する」「感染対策をしないことで社内で感染が拡大し、生産機能が低下する懸念がある」などがあった。

 影響の捉え方は業種でも異なり「良い影響」は飲食業(60・0%)、不動産業(42・4%)、衣料品小売業(41・2%)などで多かった。一方、診療報酬や助成金の減額、感染拡大の心配などで「医療・福祉」は16・2%が「悪い影響」と回答した。

 5類移行による対策の変更点については「アクリル板の撤去」「(医療福祉機関での)外来者との面会を再開」「歓送迎会など社内行事の再開」「社内での体温測定をやめる」と対策の緩和が挙がった。「高齢社員が多いので、これまで通りの感染対策を継続」などの意見もあった。

 マスク着用については「従業員の判断に委ねる」が49・4%と約半数を占めたが「原則着用を続ける」も28・2%あり、「まだ決めていない」が9・1%、「他社の様子を見て判断」が8・3%などだった。

■6割が賃上げへ

 また、今年の給与(賞与や残業代を含まない)見通しも聞いた。回答者の58・2%が賃上げを予定していた。21年度の47・2%、22年度の45・7%から大幅に伸びた。

 「3%以上増」は全体の16・4%。「2~3%の増」は19・7%、「1~2%増」は15・4%。横ばいは39・5%だった。

 今後1年の賞与については「増加」が21・5%、「変化なし」が45・8%だった。