和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

越冬木熟みかん収穫最盛期 田辺市芳養町の大坊・団栗地区

早生温州の「木熟みかん」を収穫する農家(11日、和歌山県田辺市芳養町で)
早生温州の「木熟みかん」を収穫する農家(11日、和歌山県田辺市芳養町で)
 和歌山県田辺市芳養町の大坊・団栗地区で、長期間、木に実をならせて熟成させる早生温州ミカン「木熟みかん」の収穫が最盛期を迎えている。JA紀南によると、全国的には早生温州は年末までが旬だが、管内の両地区は年明けにも収穫が続き「越冬木熟」と呼ぶ。2月中旬までの見込み。

 田辺・西牟婁では、早生温州ミカンの収穫は10月下旬ごろから始まり、JA紀南では12月から「木熟みかん」を出荷。他の地区では年内にほぼ収穫を終えるが、大坊や団栗地区の畑は年明け以降、最盛期を迎える。

 標高150~300メートル付近の南向きの日当たりの良い斜面が多いことから、霜や寒さの害に遭いにくく、遅い時季まで木に実をならせることができる。

 主な品種は宮川早生。果皮がしっかりしている一方、中の皮は薄く食味が良い。糖度は高いもので13度台。両地区の55戸が、同JAを通じて東北や京浜、中京の市場に出荷する。今季は約700トンの出荷を見込む。

 JAによると、夏以降の雨量が少なかったことから糖度は平年より高く、酸度も順調に下がり、品質は良好という。

 団栗地区に畑がある農家、鳥山晃弘さん(53)も連日、アルバイトの人らと収穫作業に追われている。鳥山さんは「雨が少なかったことから実は少し小ぶりだが、味は濃く良い仕上がり」と話した。