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2024年12月22日(日)

80歳で知事杯弓道優勝 女子個人の部で川口さん

知事杯争奪弓道大会の女子個人の部で優勝した川口照子さん
知事杯争奪弓道大会の女子個人の部で優勝した川口照子さん
 和歌山県みなべ町埴田の川口照子さん(80)が、このほどあった本年度知事杯争奪弓道大会(県弓道連盟主催)の女子個人の部で優勝した。川口さんは「優勝というより、年を取っても弓道をできていることがうれしい」と喜んでいる。

 大会は新型コロナウイルスの感染防止のため、2020年から通信大会形式にしており、今年も3日間で御坊市武道館弓道場や田辺市立弓道場など県内の4会場に分かれて開かれた。

 女子個人の部には12人が出場。8本弓を引き、的中した数を競った。

 川口さんは県弓道連盟御坊支部から出場。前半の4本で的中したのは2本だったが、後半の4本は全て的中させ、計6本の的中で優勝した。2位とは1本の差だった。

 川口さんは日高高校で弓道を始めた。インターハイに2年連続して出場し、卒業してすぐに国体にも出た。結婚を機に引退したが、どうしても国体に出たいと家族に願い、31歳で一時的に復帰した。その後、弓道から遠ざかっていたが、家業を継いだ次男から勧められて2018年に45年ぶりに再開した。

 大会に出場するのは1973年の国体以来49年ぶりだったが、ブランクを感じさせずに見事に優勝。「若い時、先生に正しい姿勢で引くことを教えてもらったのが良かったのかもしれない」と振り返り、若手に向け「弓道は筋力ではなく、精神力が重要なので年齢は関係ない。若い人もいくつになっても続けてもらいたい」と呼びかける。

 県弓道連盟の田中克彦理事長も「弓道は体力よりも精神力。60歳で始める人もいて、いくつになってもできる。川口さんの活躍はみんなに刺激になる。多くの人が弓道に興味を持ってもらえればと思う」と話している。


 川口さん以外の各種目の入賞者は次の皆さん。個人のかっこ内は所属支部名。

 男子個人=(1)西村有由(新宮)(2)徳田博文(御坊)(3)野尻和利(新宮)(4)永野真規(和歌山)(5)田中克彦(田辺)

 女子個人=(2)谷本和美(田辺)(3)川村香(御坊)(4)水野紀子(田辺)(5)中島さおり(御坊)

 団体=(1)新宮A(野尻和利、峪孝、石橋舜而)(2)御坊B(長岡修、山田一男、川口照子)(3)田辺・新宮(西原哲男、西村有由、石本千夏)