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2024年11月05日(火)

未明の海に転落の釣り人救助 和歌山東漁協の3人を表彰

串本海上保安署の内海浩一署長(左)から表彰状を受ける和歌山東漁協の組合員=和歌山県串本町須江で
串本海上保安署の内海浩一署長(左)から表彰状を受ける和歌山東漁協の組合員=和歌山県串本町須江で
 串本海上保安署(和歌山県串本町サンゴ台)は6日、海中に転落した釣り人を救助した和歌山東漁協の組合員3人に表彰状を贈った。

 表彰状を受けたのは同漁協副組合長の濵光さん(66)、いずれも組合員の芝裕史さん(51)、増井猛弘さん(46)。

 11月23日午前4時ごろ、串本町の須江崎で釣り人3人が海中に転落。2人は自力で岸にたどり着いたが1人が沖に流されたため、同保安署が県水難救済会紀南東部救難所須江支所に救助協力を要請。漁協の3人は要請を受けて10分後に須江漁港を出港、それから約7分後に漂流している釣り人を見つけ、救助船に助け上げた。

 授与式は同町須江の和歌山東漁協須江支所であり、内海浩一署長(57)が1人ずつ名前を読み上げ、表彰状を手渡した。

 濵さんは「出港した時には釣り人はもう200メートルほど沖に流されていた。暗闇の中、スマートフォンのライトのかすかな明かりで、うねりのある波の間に見えたり消えたりしていたのを何とか見つけ、駆け付けた。救命胴衣を着用していたので助けられた」と話し、不案内な土地で釣りをする場合は天気予報を吟味し、慎重に行動してほしいと呼びかけた。

 内海署長は「当署の管轄は串本から新宮までと広く、その間の海岸も複雑に入り組んで、巡視艇1隻で対応は困難。水難救済会の皆さんの迅速な対応と協力に感謝している」と話した。