和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

町の将来考え質問 子ども議会でみなべの高城中3年生

町の考えや施策について質問する高城中学校の生徒(みなべ町芝で)
町の考えや施策について質問する高城中学校の生徒(みなべ町芝で)
 みなべ町芝の町役場にある町議会議場で11日、「子ども議会」があり、同町滝の高城中学校の3年生が一般質問した。生徒たちは町の将来を考え交通網の整備や人口減少対策、農業振興などについて町の施策を聞いたり、提案したりした。

 高城中と町教育委員会の主催。3年生は「地域の未来を考える」をテーマにふるさと学習をしており、その集大成として15人が5班に分かれて一般質問に臨んだ。議長は原田覚町議会議長が務め、町執行部は小谷芳正町長や各課長が出席した。

 交通網に関しての質問では清水悠成君が、高城・清川間の学生に関して、コミュニティーバスは駅に着く時間が遅く、ジャンボタクシーは料金が高く、送迎のための保護者負担や、自転車や原付きバイクでの交通事故の心配があると現状を指摘。料金や出発時刻の変更などができないかと質問した。

 小谷町長はコミュニティーバスに関して「来年度、大学など専門機関と運行計画の見直しをする予定にしている。生徒からの意見も踏まえ、より利用しやすいものにしていきたい」などと答えた。

 森本華望さんは、子育てしやすいまちづくりとして、小中学校の児童全員の給食費無償化を提案。小谷町長は、給食費の保護者負担額は年間で計約5千万円に上り、無償化すると恒久的に町負担となると答弁。前田伊久雄教育学習課長も食材費の高騰が続き、本年度は給食費を値上げしたが、国の交付金活用で保護者負担の増加はなしにしているとの現状を説明し「完全無償化は大きな財政負担となるため、現時点では食材費の保護者負担を継続したい」と述べた。

 他に、ワーケーションの参加者への補助についてや、繁忙期に農家が人を雇った時、雇われた人が宿泊できる町の公共施設や町管理の建物の貸し出し、ふるさと納税の資金を活用した中学生の海外留学といった質問、提案もあった。

 楠谷日菜さんは「町のために質問することを一生懸命勉強し、考えた。緊張したけれど貴重な体験になった」と話した。

 講評で井戸和彦教育長は「本番さながらの議会の様子や町の仕組みを勉強できることは素晴らしいこと。きっとこの経験が今後、皆さんの力になると思う。将来、町の発展、活性化の一翼を担う人になってほしい」と呼びかけた。