和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

特技は祈祷、趣味シイタケ 龍神に「温泉むすめ」降臨

龍神温泉元湯に設置している「龍神 晴」の等身大パネル(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
龍神温泉元湯に設置している「龍神 晴」の等身大パネル(和歌山県田辺市龍神村龍神で)
 和歌山県田辺市龍神村の龍神観光協会は、全国の温泉地をキャラクター化して地域の魅力を発信している「温泉むすめ」の活用を始めた。龍神村をモチーフにした「龍神 晴(せい)」を「起用」し、2日から龍神村内3カ所でパネル展示やグッズの販売などを開始した。


 「温泉むすめ」は、キャラクターを通じて全国各地の温泉地や地域の魅力を幅広く伝え、現地への来訪を促すことを目的としている。観光庁後援の取り組みで、県内では龍神村の他、白浜町と那智勝浦町でもキャラクターがつくられている。

 この事業に取り組んでいる企業「エンバウンド」(東京都)によると、温泉むすめは各温泉地に宿る神様で、人間の女の子と変わらぬ容姿を持つという設定。現在122のキャラクターがあり、音楽活動やコミック、声優によるトークイベントなどを通じて温泉地の魅力を国内外に発信している。日本だけでなく、台湾でもキャラクターがつくられている。

 46番目に登場した「龍神 晴」は、キツネのように化かすことが好きな巫女(みこ)装束のキャラクター。祈祷(きとう)が特技で、趣味はシイタケの栽培。声優は、和歌山県出身の中島由貴さんが務める。

 龍神観光協会によると、「温泉むすめ」の人気が高まっていることや、キャラクターのファンが実際に温泉地を巡るケースが増えて地域の活性化につながっていることなどを受けて、コロナ禍で観光客が減少している状況から「とにかく龍神に来て、良さを知ってもらうきっかけになれば」と考え「温泉むすめ」の活用を決めた。

 これまでにない客層へのアプローチとなるため、まずは試験的に「龍神温泉元湯」(龍神村龍神)に中島さんのサイン入り等身大パネルを設置。また、いずれも数量限定で道の駅「龍神」(同)の木族館で缶バッジを販売し、道の駅「龍游」(龍神村福井)の龍游館では千円以上の食事や買い物をした人にステッカーを配布している。

 龍神観光協会の担当者は「どのような反響があるか、様子を見ながら事業を展開し、村内を巡ってもらう仕組みも考えていきたい。グッズは販売している現地に足を運ばないと、手に入らない仕組みになっている。地域全体で取り組み、各事業所でのオリジナルグッズの開発や販売にもつながれば」と話している。