和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

脱マスクいつから? 「屋外でも周囲の目気になる」

政府が示した「マスクを外せる基準」
政府が示した「マスクを外せる基準」
 新型コロナ対策に伴うマスクの取り扱いについて、政府は先月、人との距離が2メートル以上あれば多くの場合で外してよいとする基準を発表したが、教育現場でも街頭でも脱マスクは進んでいない。熱中症も心配だが、周囲の目も気になるというのが本音。一体、いつから外すのか。


 和歌山県田辺市内のある小学校長は「体育で走る時や、休憩時間に運動場で遊ぶ時は『外していい』と言っているが、外す子はほとんどいない。周囲がみんな着用していると難しい。マスクを外すのを恥ずかしく感じる子もいる」と明かす。

 6月に入り気温が上昇し、熱中症の心配も増す。「『外した方がいい』という場面も出てくる。運動場で児童と遊ぶ教員には率先してマスクを外すよう指示した」という。

 マスクは子どもの発達にも影響する。「コロナ後に入学した児童は、給食時にマスクを外す担任の顔は見たことはあるが、その他の先生の素顔は見たことがない。子ども同士の表情が見えないのも問題。外せる場面が増えるのは歓迎したい」と話した。

 市内のある中学校教頭は「体育と部活動では、以前から外していた。登下校も外していいとしているが、ほとんどが着用している。文科省からの正式な通知は届いておらず、それを見て対応を考えたい」と頭を悩ませる。

 保育園もマスクの対応に苦慮してきた。政府は2月に2歳以上に着用を推奨する方針を出したが、園児では難しい面もあった。今回の基準では以前と同様に着用を一律に求めないとなっており、田辺市子育て推進課は「保育所では着用の協力を積極的にはお願いしない」としている。

 街頭もマスク姿が目立つ。田辺市の団体職員女性(22)は「周囲が外さない限り、屋外でも外せない」、上富田町の会社員男性(55)も「今のところ外そうとは思わない。会話をしない場合でも周囲の目が気になる」と外すタイミングを計りかねている。田辺市の会社員女性(22)は「外している人を見ると正直気になる」と本音を語った。

 田辺市の自営業男性(30)は「政府の基準には賛成。ただ、全て緩和されたわけではないので、節度ある行動が必要。特に子どもへの対応は、今は外していい、着用すべきだと大人がしっかり判断し、行動で示してほしい」と強調したが、自身は「マスクの着用に不便さは感じないので、当面外すつもりはない」と話した。