和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

県内倒産3月は10件 1年9カ月ぶり2桁

 東京商工リサーチ和歌山支店は、3月の県内倒産状況(負債額1千万円以上)をまとめた。倒産件数は10件で、負債総額は1億4800万円。1年9カ月ぶりに倒産件数が2桁となり、3月分の倒産件数としては過去10年間で2番目の多さとなった。

 産業別では「農・林・漁・鉱業」「建設業」「製造業」「小売業」「サービス業ほか」。原因は「販売不振」9件、「他社倒産の余波」1件。負債額別でみると、10件全てが5千万円以下の小口だった。

 地域は和歌山市5件、橋本市と田辺市が各2件、東牟婁郡1件。田辺市は理容室と美容室、東牟婁郡は古座川町の農業。

 同支店によると、コロナ禍の各種資金支援策が倒産抑制に効果を見せた一方で、売り上げが落ち込み、借入金が膨張した過剰債務問題がある。業績回復が遅れる中で企業に疲弊感も見え始め、息切れ倒産だけでなく、事業継続を諦めて廃業を選択する企業の増加も懸念されるという。