和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

【詳報】田辺管内でコロナ感染者増加 飲食店でクラスター、和歌山県

 和歌山県は2日に274人、3日に260人が県内で新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。田辺保健所管内では、飲食店2店をクラスターに認定。2日には1月27日の過去最多に並ぶ43人の感染を発表した。


 保健所管内別新規感染者数の内訳は和歌山市が2日134人・3日137人、田辺43人・30人、岩出27人・27人、橋本22人・36人、湯浅18人・14人、御坊16人・8人、新宮10人・3人、海南3人・4人、県外在住1人・1人だった。

 3日時点の直近1週間の人口10万人当たり感染者数は166・0人。増加傾向にあり、3月28日からの1週間で58・1人増えた。管内別(4月3日時点)は多い方から、和歌山市227・1人、橋本187・2人、田辺144・8人など。田辺が140人を超えるのは2月17日以来45日ぶり。

 新たなクラスターは2日間で6件。このうち、県が2日に認定した田辺市湊の飲食店「LEGEND(レジェンド)」では従業員2人と来店客6人の計8人、3日に認定した同市湊の飲食店「ドルフィン」では従業員4人と来店客2人の計6人の感染を確認。レジェンドに3月26日、ドルフィンに26、27日に来店した人は、速やかに最寄りの保健所に連絡するよう呼び掛けている。

 両店とも午後10時から翌朝にかけて営業する、カラオケ設備のある飲食店。従業員の行き来があったことなどから、県は両店のクラスターは関連性があるとみている。

 レジェンドは27日から休業。ドルフィンは以前から28日の閉店を予定しており、同日閉店した。

 県はクラスターに認定した施設や団体の名称を原則公表しないことにしているが、両店とも来店者が特定できないことから、店名を公表した。

 県福祉保健部の野尻孝子技監は「クラスターが発生すると地域の感染拡大のもとになるので、リスクの高い行動は避けてほしい」と呼び掛けた。

■医師の送別会で計10人 和歌山市でクラスター


 また、県は2日、和歌山市の別々の飲食店であった医師の送別会2件を、クラスターに認定した。医師の集まりによるクラスターは県内で初めて。いずれも3月26日にあった飲酒を伴う会だったが、関連性はないという。

 1件には県内外の15医療機関から医師35人(うち県内27人)が参加。20代と30代の計5人の感染が分かった。もう1件は県内の2病院の医師13人が参加し、うち20代5人の感染が分かった。いずれのクラスターでも、送別会後に患者に接し、後に発症した医師がいるという。

 県福祉保健部の野尻技監は「リスクの高い行動であることは、十分認識されているはず。しかも、各病院は職員に対し、こういった集まりの自粛を求めていたと聞いている。それにもかかわらず、こういうことになり非常に残念」といい、主な病院には直接注意を求めたことを明らかにした。

 ただ、参加者や接触者については各医療機関が把握し、対応していることから、医療機関名は公表しないとしている。

 他の新たなクラスターは湯浅管内と岩出管内の保育所で、それぞれ5人の感染を確認した。

■田辺市長の陰性判明

 田辺市は2日、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者として自宅待機している真砂充敏市長のPCR検査の結果が陰性だったと発表した。

 秘書課によると、真砂市長に発熱などの症状はないが、他の濃厚接触者の中で陽性が判明した人もおり、当初7日までとしていた待機期間を9日までにする。リモートで執務に当たる。