和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

コロナ禍逆風なんの 宿泊施設が飲食店開業

上は民宿「大村屋」が運営するすし店「みやずし」、下は「ペンションあしたの森」が運営するカレー店「本宮ガーデン」
上は民宿「大村屋」が運営するすし店「みやずし」、下は「ペンションあしたの森」が運営するカレー店「本宮ガーデン」
 和歌山県田辺市本宮町で民宿やペンションといった宿泊施設が、飲食店を開業している。宿泊、飲食ともコロナ禍で逆風の業界だが「いずれ客足は回復する。その時、迎え入れる準備を今からしたい」と意気込んでいる。


 本宮町川湯の民宿「大村屋」は、今年1月に本宮町本宮にすし店「みやずし」をオープンした。「熊野本宮大社に近い絶好の場所に物件があり飛び付いた。夕飯を食べられる店が少ないという声があったので、周辺にはない、すしと一品料理の店に決めた」という。

 開店から約2カ月。「気軽にすしを食べに行けてうれしい」「夜も開いているので助かる」と地元の客、町内の宿泊客から好評だという。仕出しや出前にも力を入れており、町内や隣接の奈良県十津川村まで配達している。

 大村屋のおかみで配達も手掛ける大村良子さんは「落ち込んでばかりいられない。コロナ後はまた忙しくなる。今できることをしっかりやりたい」と話している。

 営業は午前10時~午後2時、午後5時~9時。

 本宮町川湯の「ペンションあしたの森」は、2020年8月から本宮町大津荷でカレー店「本宮ガーデン」を開いている。外に設置したテーブルで飲食してもらう形式だったが、今年2月に室内飲食スペースも設けた。キッチンカーでの出張や町内の配達にも対応している。

 コロナ禍で宿泊客が激減。急なキャンセルも増え、食材のロスも気になっていた。そこで、フルーツなども含めた食材を活用でき、手軽に食べられるカレーに着目した。

 カレー店はキャンプ客や観光客、国道168号沿いにあることからライダーの利用も多いという。カレーは通常650円だが、町内の客は500円。配達は高齢者から喜ばれ、地元で常連客を増やしている。

 ペンションとカレー店の両方で働く栗栖恵さんは「お客さんを待っているだけでは駄目だと実感した。コロナが落ち着いたらイベントにも積極的に出店し、みんなでまちを盛り上げていきたい」と話している。

 営業は午前11時~午後5時。