和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

「大丈夫?」不安の声も 田辺市でIR説明会、和歌山県

県のIR説明会で、オンラインでやり取りする県の担当者(画面)と参加者=1日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で
県のIR説明会で、オンラインでやり取りする県の担当者(画面)と参加者=1日、和歌山県田辺市朝日ケ丘で
 和歌山市の「和歌山マリーナシティ」にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致する計画で、県は1日、田辺市などで住民説明会を開いた。参加者からは事業の継続性やギャンブル依存症の増加に対する不安の声などが上がった。


 説明会は会場となった西牟婁振興局(田辺市朝日ケ丘)と県庁をオンラインでつなぎ開催。那賀、東牟婁振興局でも同時に行った。田辺会場には約30人が参加した。

 冒頭の30分は、県の整備計画案のポイントを解説する動画を配信。その後、質疑応答が50分程度あった。

 動画では、IRがレジャーやエンターテインメント、ビジネスの場であると強調。世界から集客して日本の魅力を伝えるとともに、県内各地をはじめ、伊勢方面や四国にも送客して、新たな観光街道を形成するなど、経済効果を説明した。ギャンブル依存症対策や治安強化など、マイナス面への対応も示した。

 参加者からは「コロナ禍のような想定外の事態で倒産することもあるのではないか。計画は前のめり過ぎないか」「ギャンブルでお金が巻き上げられる経済的損失が考慮されていない。案はバラ色過ぎるのではないか」といった声があった。

 IR推進室は「事業者は将来を見据えた上で、多くの投資をして参入する。この状況下でも事業展開できると考えている」「施設はカジノだけではない。カジノでは財を投げ出すことのないように上限設定機能の付いたIRカードのような独自対策をする。依存症予防教育を実施し、専門医療機関も開設する」などと回答した。

 整備計画案について、県は10日まで意見を募集している。計画案は県ホームページや各振興局の企画産業課で閲覧できる。