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2024年12月20日(金)

早期対応でコロナ拡大防いで 和歌山県が高齢者施設に手引

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県内の高齢者施設で連日、新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生していることを受け、県は施設の初動対応についての手引を作成し、入所系施設623施設に送付した。感染が疑われる人や濃厚接触者が出た場合、保健所の指示を待たずに対応してもらい、早期に感染拡大を封じ込める狙い。

 県によると「第6波」(1月4日~2月14日時点)で、通所系施設を含む37の高齢者施設でクラスターが発生、406人の利用者が感染した。大規模なクラスターになったケースもある。保健所業務が逼迫(ひっぱく)し、施設への指示や調査が遅れる場合があるため、初動対応について確認してもらおうと作成した。

 手引では、職員や入所者に少しでも発熱やのどの痛み、せきなどの症状があれば抗原検査をし、陽性であれば職員は自宅待機、入所者は個室などに隔離。保健所や協力医療機関に連絡するとしている。

 症状がある職員や入所者に対し、発症3日前からの行動を確認し、濃厚接触者とみられる人のリストを作成、リスト記載の全員に抗原検査をする。濃厚接触者の判断は、保健所の業務だが、あらかじめリストを作っておいて対応することで、感染拡大の危険性を抑えるとともに、保健所業務を円滑にする。

 また、施設内を感染者エリアとそれ以外に区域を分けるほか、PCR検査で陽性が確定次第、抗ウイルス薬を投与できるよう準備をしたり、感染者の家族や出入り業者、ケアマネジャーに速やかに連絡したりするよう対応してもらう。

 手引は県長寿社会課ホームページからも入手でき、各施設に合った形に整えて利用してほしいという。

■高齢者施設も対象に 疲労軽減のホテル利用

 県は新型コロナ対策業務をする医療従事者の疲労軽減のため、指定した宿泊施設の利用料を県が負担する事業で、新たに新型コロナ病床がない医療機関や高齢者施設で対応する医療従事者も対象に加える準備を進めている。

 2020年度から始めた事業で、これまでは新型コロナ病床がある医療機関を対象としていたが、「第6波」ではその病床がない医療機関や高齢者施設でも感染者が療養している現状を踏まえた。新型コロナ対策に従事する介護職員については国の別の補助制度を活用するという。