和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

「すさみ南→串本」可能に 高速道路、和歌山県が入り口整備

現在のすさみ南インターチェンジ(和歌山県すさみ町提供)
現在のすさみ南インターチェンジ(和歌山県すさみ町提供)
すさみ南ICイメージ図
すさみ南ICイメージ図
 2025年春の開通を目指して国土交通省が整備を進める「すさみ串本道路」に関し、県は、すさみ南インターチェンジ(IC)から串本町方面へ流入できるようにすると発表した。災害時の機能強化などが目的。当初は田辺方面への入り口と田辺方面からの出口だけの「ハーフIC」の計画だった。


 県道上富田すさみ線から串本方面への本線につなげる道路を県が設ける。工事自体は国交省へ委託する。完成時期は未定としている。

 県の事業に伴い、国交省は、本線上に整備するトンネルと橋を拡幅する。

 串本方面への入り口を巡っては、すさみ町が以前から地元選出の衆院議員や国交省へ要望を続けており、用地の取得にも協力していた。岩田勉町長は「地元の努力が実ったということで、大変ありがたい。防災面だけでなく、観光振興などを考えても大切な存在になる」と話した。

 町などによると、すさみ串本道路のすさみ南IC―和深IC(仮称)間の約7キロと並行する国道42号では海抜の低い所があり、巨大地震に伴う津波被害が想定されているほか、台風襲来時には越波も起こる。曲がりくねった区間もある。一方、すさみ南IC近くにある道の駅「すさみ」は国交省が「防災道の駅」に選定しており、災害時には復旧に向けた拠点になる。

 すさみ串本道路は、すさみ町江住と串本町サンゴ台を結ぶ延長19・2キロ。現在の計画では、和深ICは串本方面への入り口と串本方面からの出口だけのハーフIC、すさみ南ICのような〝4分の3IC〟は珍しいという。