和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

かわいらしいと評判に 93歳が人形手作り

糸川昌子さんと手作りしたかわいらしい「まめまき人形」(和歌山県みなべ町晩稲で)
糸川昌子さんと手作りしたかわいらしい「まめまき人形」(和歌山県みなべ町晩稲で)
 和歌山県みなべ町晩稲の糸川昌子さん(93)が手作りする人形が「色鮮やかでかわいらしく、癒やされる」と人気だ。ハンドメード作家の作品を販売する町内の店舗でも好評だという。

 現在、販売しているのは2月3日の「節分」にちなんだ新作の「まめまき人形」。お多福の面をかぶり、鮮やかな衣装を身にまとって豆をまくウサギで、手作りだけに一つ一つ顔の表情も衣装も違う。

 販売している店舗は同町芝の事務用品店「うえだ」。コーナーを担当する植田敦子さんは「作り手の心がこもった作品で、一つずつ表情が違う。お客さんは好きなものを選んで買ってくれる」と話す。

 それに続いて作っているのは、3月3日の「桃の節句」にちなんだ「ひな人形」。これも新作でウサギ。これまでネコやカエル、ブタ、キツネなども作ってきたが「ウサギが一番かわいい」と選んだ。これも店舗で販売するほか、南部梅林が開園すれば、売店に並べる予定。

 糸川さんは若い頃から人形作りや文化刺しゅうが好きで、教職を定年退職した後に本格的にするようになった。押し絵やちぎり絵、つまみ細工のほか、フクロウや地蔵の人形などさまざまな作品に挑戦。15年ほど前から、えとの人形も作るようになった。主に知人らにあげるが、梅林でも販売するようになり「今年は何作ったの」と毎年楽しみにしてくれる人もいるという。

 作る際には「縁起物になるように」と、いわれも調べる。例えばウサギなら「赤い目は呪いを取る」といった具合で、心を込めて作っているという。

 以前は農業の合間に楽しんでいたが、足腰が弱ったいまではほぼ一日、自室にこもって続けている。「何かしていなくては落ち着かないから」と、アイデア凝らし手作りする。