和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

目指せ「SDGs未来都市」 田辺市、熊野らしさどう生かす

 国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、優れた取り組みをしている自治体を国が選定する「SDGs未来都市」を目指し、田辺市が準備を進めている。熊野らしさをどう生かすかが鍵を握りそうだ。

 SDGsは2015年の国連総会で採択された世界共通の17の目標。内閣府による「未来都市」の公募、選定は18年度から始まり、21年度までに124自治体を選んでいる。県内では和歌山市のみ。選定されると財政的な支援が受けられる。

 田辺市は22年度に応募する予定で、30年の将来ビジョンを描いた全体計画と、経済、社会、環境をつないだ統合的なモデル事業などをまとめた提案書の作成を進める。

 環境では里山の保全と活用、生物多様性の保全、経済では熊野古道を訪れる観光客や農林業を体験するエコツアーの誘客、社会では人材育成や関係人口の取り組みなどを盛り込む見通し。

 選考は絶対評価でなく、相対評価。各年度で30程度の自治体を選んでいる。21年度は53件の応募があり、31自治体が選定された。後年になるほど、提案する自治体数が増え、レベルも上がる傾向がある。

 真砂充敏市長は「既存の取り組みがSDGsにつながっている。熊野の歴史文化を反映した独自性のある提案をしたい」と話している。