和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

IR住民投票へ署名活動 和歌山市の市民団体

IR誘致の賛否を示す住民投票実施に向け、署名活動を開始すると発表する市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」のメンバー(4日、和歌山県庁で)
IR誘致の賛否を示す住民投票実施に向け、署名活動を開始すると発表する市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」のメンバー(4日、和歌山県庁で)
 「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」の誘致を和歌山県や和歌山市が進めていることについて、市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」は4日、市民が賛否を示す住民投票の実施を市に請求しようと、6日から署名活動を始めると発表した。

 地方自治法に基づく活動。14人が代表請求人となり、代表請求人から委任を受けた「受任者」約千人が、12月5日までの1カ月間、市内の街頭や戸別訪問で署名を集め、住民投票条例の制定を市長に直接請求する。受理されれば、市長が20日以内に議会を招集、自らの意見を付けて上程。議会が条例案の可否を審議することになる。

 署名が受理されるには、有権者の50分の1の約6200人以上が必要だが、同会は、横浜市であった同様の署名活動で集まったのと同じ人口比に当たる2万筆以上を目指す。

 県は運営事業者と共同で、来年4月下旬までに国に提出する「区域整備計画」案を作成している。市議会は来年2月の議会で同意するかを審議する予定という。

 記者会見で豊田泰史共同代表は「IR誘致に関して、賛成、反対を問わず、住民の意見を聞いてほしい。自分たちや子ども、孫のためにどういうまちづくりをするかについて、市民の声を聞く姿勢が民主主義の基本ではないか」と主張。横浜市での同様の活動では、市議会が住民投票条例案を否決したが「その後に市民の意識が高まり、市長選挙に影響した」と活動自体の意義も示した。

 また、池田香弥共同代表は「私たちはまだ意思を示していない」「賛成も反対も示す機会はなかった」という市民の声を紹介。「大きなことなのに議員や行政の長が任せておいてほしいというのは困ったこと。市民の声もしっかり聞いた上で、真剣な討議をしてもらわないと不安だ」と話した。