和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

会津川の堤防工事本格化 田辺バイパス付近

和歌山県による河川整備事業の対象となっている現場付近(和歌山県田辺市秋津町で)
和歌山県による河川整備事業の対象となっている現場付近(和歌山県田辺市秋津町で)
橋の架け替え工事などをしている念佛橋付近(和歌山県田辺市古尾で)
橋の架け替え工事などをしている念佛橋付近(和歌山県田辺市古尾で)
左会津川河川整備事業の工事場所
左会津川河川整備事業の工事場所
 和歌山県は、豪雨などによる浸水対策として行っている左会津川の河川整備事業で、本年度から、田辺市秋津町など田辺バイパス付近の約1キロの区間で本格的な工事に取り掛かる。


 左会津川水系河川整備計画に沿った事業(2019~23年度)。区間は同市の古尾から秋津町や下万呂までの1・8キロ。対象地域は、2011年9月の紀伊半島大水害など、これまでに度々浸水被害があったことから、堤防のかさ上げなど災害防止対策を進めている。事業費は約18億円。

 古尾地区では、19年度以前から堤防のかさ上げ工事をしてきたが、今回の河川整備事業でも引き続き工事をしており、現在は稲成川に架かる念佛橋の架け替え工事をしている。

 本年度からは、田辺バイパスの上流400メートルの八丁川樋門付近から、下流580メートルの高雄大橋付近までの範囲で工事を本格化する。一部、右会津川も工事をする。堤防の高さは今よりも1~3・7メートル程度高くなるという。

■対象区間で用地買収進む 事業所移転や閉店も

 対象区間では、用地買収を進めており、秋津町の右岸沿いにある店舗が移転したり、事業所が閉店を決めたりするなどしている。

 堤防のかさ上げ工事が敷地までかかってくることから、温泉施設「弁慶のさと湯」(秋津町)は8月31日で閉店することを決めた。松下秀二郎社長(83)は「入浴の楽しみや癒やしの場をなくしてしまうことは心苦しく思うが、17年間にわたってご愛顧いただき、感謝している」と話している。