和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月21日(木)

わな設置や集団下校 クマ目撃で注意呼び掛け

クマの目撃情報
クマの目撃情報
 和歌山県の田辺市と上富田町で7日から、クマとみられる動物の目撃情報が相次いでおり、関係機関は防災無線やメールを使って注意を呼び掛けている。目撃情報があった周辺地域の学校などは集団で下校をしたり、自治体職員や教員が地域を見回ったりするなどの対応を取っており、上富田町内には箱わなが設置された。


 田辺署によると、7日午後5時半ごろ田辺市下三栖で、8日午前7時ごろ上富田町朝来で、9日午前5時半ごろ田辺市上万呂で、住民からクマのような動物を目撃したとの通報を受けた。「きしゅう君の防犯メール」を配信し、各自治体など関係機関に連絡。各機関が連携して対応している。けが人などの人的被害の情報は入っていない。

 目撃情報を受け、警察や学校関係者らが周囲をパトロールしており、上富田町は防災無線で注意を呼び掛けたほか、田辺保健所、猟友会などと協力してクマの目撃情報があった付近4カ所に箱なわを設置した。

 町には8日午後2時までに目撃情報が5件入ったという。町担当者は「30年、町の職員をしているが、クマが町内で出没したという話は聞いたことがない。地域住民からも心配の声が上がっている」と話した。

 県内で生息が確認されているのは、ツキノワグマで、絶滅の恐れのある地域個体群として県のレッドデータブックで絶滅危惧1類に分類されている。

 県によると、昨年度の県内のクマ目撃情報は26件。本年度は6月末現在24件。人里周辺への出没を防ぐため、生ごみや不要になった農作物を放置しない、クマに遭遇した際は慌てず、クマをじっと見ながら背中を見せずにゆっくりと離れていくことなどを呼び掛けている。